剣客商売「辻斬り」(池波正太郎著 新潮文庫)を正月から読んでいる。
「鬼熊酒屋」は、その文庫の最初の小説です。
六十になった小柄な秋山小兵衛が主人公だ。
老人だが、堀川国弘一尺四寸余の脇差をあやつることは巧みだ。
それと同じような小兵衛の人間への心くばりがいい。
居酒屋〔鬼熊〕は熊五郎の店だ。
「なんで、あんなじじいのところへ、銭をつかって飲みに行くのか、行く奴の気が知れねえ」
という近辺の評判だが、もう十年余も店をやって来られたのは、
「酒がよくて、勘定が安くて、食いものがうまい」からだそうな。
〔鬼熊〕には、養女のおしんと聟(むこ)の文吉がいた。
文吉はおだやかな気性で、口やかましい舅と、おとなしい女房の間をうまくとりもち、
客あしらいもよく、包丁もかなりにつかう。
初孫のおかよが生まれ、それから、いくらか〔鬼熊〕の空気も変わってきたようだ。
ある日の夕暮れ、したたか酔った浪人三人が店に来た。
「喧嘩を売って酒を売るというおやじは、どやつだ?」
「けしからん。客商売の身分もわきまえず、威張り返って酒を売るとは、まことにもってけしからん」
「われわれ三人は、ちょいと、そこらあたりのごろつきとわけがちがうぞ。さ、そのつもりで喧嘩を売れ、酒を売れ」
ここからこの短編のクライマックスに入ります。
池波正太郎の筆はすばらしい。
10年前ほど「鬼平犯科帳」を読んで、池波正太郎にはまったことのある私です。
また、「剣客商売」に心をうばわれそうです。
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