徒然留学日記

30にしてドイツ留学を思い立ち、その後結婚。日々経験したこと、感じたことをつづっています

映画-ハッピーフライト~Happy Flight

2022-03-07 15:40:58 | DVD・本
国際交流基金主催の「Japanese Film Festival online」から9本目は矢口史靖監督の『ハッピーフライト』(2008年公開)。

ホノルル行きの飛行機が舞台、と知り、「ホノルルの景色を見られるのかな?」と期待したけれど、羽田を出発して途中で機材トラブルで羽田に引き返したので、羽田空港内と機内のみだった。

出発前から小さな問題が発生、最後は畳みかけるように問題が頻発し、私もドキドキしながら見てとても楽しかった。
緊急時、コックピットでは意外に人が判断することが多いんだな、と思った(トラブルの原因がそれぞれ違うので当然か)。

グランドスタッフを演じた田畑智子さんが飛行機が出発する際に『戻って来るなよ~』とつぶやいていたけれど、これ、とてもよく理解できる。

私は会社員時代、チャーター便運航に関わっていたことがある。チャーター便は使用機材に対して滑走路が十分長ければどの空港でも許可を得たうえで離発着できたので、日本全国の空港を利用した(入管・税関・検疫が常駐していない空港も、管轄の港湾事務所が出張対応してくれる)。ヨーロッパ系の航空会社だったので、空港での実際のハンドリングは日系航空会社に委託したけれど、責任者として誰かが当日空港に行く必要があった。
が、

沖縄は遠すぎて誰も行きたがらない(日曜日+日帰り)

ので、私が毎回行った(行かされた)。

その日も那覇空港で無事チャーター便を見送り、後は私が帰るだけ、と、空港内をうろうろしていたらハンドリング会社のディスパッチから電話がかかってきた。『

飛行機、引き返している

ので、事務所に来てください』と。

事務所に行って話を聞いたら、『中国上空通過の許可が取れていなかったようで、今那覇空港に引き返しています。飛行しながら北朝鮮上空通過の許可を取るつもりらしいです』と言われた。「北朝鮮上空は無理じゃない?」と思ったら、やっぱり無理だったので結局

シベリア上空

にルート変更した。どこまで行ってどのくらい引き返したのかは不明だったけれど、燃料が不安だったので、一応ハンドリング会社のモスクワ事務所にも『給油のため着陸の可能性あり』とメッセージを打ってもらったけれど、

ノンストップで無事目的地に到着

した。
実際には那覇空港に戻ってくることなく、私がしたことも特にはなく、ただ私の帰宅が遅くなっただけだったけれど、仕事にこういうドキドキは本当不要。その後はチャーター便を見送るたびに「問題なく飛んでいってね」と心から願うようになったので、田畑さんの『戻って来るなよ~』はよくわかる。