「なにか気になることが出ているのか」
易占のあと顔を曇らせた桑道茂をみて、宗皇帝は問うた
「今すぐとのことではございませぬが」と道茂は言葉を濁した。
「気になる、なんだ」
「陛下、数年のうちに京師を離れるようなことが起こるかもしれません」
「なに、それは外寇か?」
「そこまではわかりかねます、ただ陛下が外遷されるということは確かです」
「そして奉天の地に天子の気がございます」
「奉天に堅固な城を築くことをお勧めいたします」
「縁起でもないことだが」
「しかし吐蕃の襲来があるのかもしれん」と宗はつぶやいた
「城を築いておいて悪いことはないな」
さっそく京兆尹に命じて奉天城を強化させた。
それから三年後の建中四年、朱が京師で反乱した。
宗は奉天に奔り、必死の防戦をすることとなった。
形勢は極めて危うかったが、強化した城はなんとか持ちこたえることができた。
易占のあと顔を曇らせた桑道茂をみて、宗皇帝は問うた
「今すぐとのことではございませぬが」と道茂は言葉を濁した。
「気になる、なんだ」
「陛下、数年のうちに京師を離れるようなことが起こるかもしれません」
「なに、それは外寇か?」
「そこまではわかりかねます、ただ陛下が外遷されるということは確かです」
「そして奉天の地に天子の気がございます」
「奉天に堅固な城を築くことをお勧めいたします」
「縁起でもないことだが」
「しかし吐蕃の襲来があるのかもしれん」と宗はつぶやいた
「城を築いておいて悪いことはないな」
さっそく京兆尹に命じて奉天城を強化させた。
それから三年後の建中四年、朱が京師で反乱した。
宗は奉天に奔り、必死の防戦をすることとなった。
形勢は極めて危うかったが、強化した城はなんとか持ちこたえることができた。