令狐楚が河陽に赴任したのは、勇将鳥重胤の後であった。
胤は牙軍を引き連れて滄州へ移っていったが
そのうち三千人は河陽を離れたがらず途中で脱走した。
しかし河陽に戻ると誅殺されると懼れて州境にたむろし
盗賊となろうとしていた。
楚はこの事情をしるやいなやわずかな供回りだけで州境に向かった。
そして脱走兵達の中に入り呼びかけた。
「おまえ達が滄州へ移りたくない事情はよくわかっている」
「河陽を守ろうとする気持ちのあるものは武器を捨てて私についてこい」
脱走兵はお互いに顔を見合わせていた。
家族のいる河陽には帰りたい、しかし処罰されるのも怖い。
「だましておいて、皆殺しなんてことにならないんですかね」と兵達
「私は丸腰でおまえ達の所にきた。そして一緒に河陽へ連れて帰るつもりだ」
「そんな私を信じないで、なにを信用するのだ」
そんな楚の毅然とした態度をみて
「盗賊になりたいわけじゃないしな」と
兵達は武器を捨てて、楚に従って河陽に戻ることを選んだ。
胤は牙軍を引き連れて滄州へ移っていったが
そのうち三千人は河陽を離れたがらず途中で脱走した。
しかし河陽に戻ると誅殺されると懼れて州境にたむろし
盗賊となろうとしていた。
楚はこの事情をしるやいなやわずかな供回りだけで州境に向かった。
そして脱走兵達の中に入り呼びかけた。
「おまえ達が滄州へ移りたくない事情はよくわかっている」
「河陽を守ろうとする気持ちのあるものは武器を捨てて私についてこい」
脱走兵はお互いに顔を見合わせていた。
家族のいる河陽には帰りたい、しかし処罰されるのも怖い。
「だましておいて、皆殺しなんてことにならないんですかね」と兵達
「私は丸腰でおまえ達の所にきた。そして一緒に河陽へ連れて帰るつもりだ」
「そんな私を信じないで、なにを信用するのだ」
そんな楚の毅然とした態度をみて
「盗賊になりたいわけじゃないしな」と
兵達は武器を捨てて、楚に従って河陽に戻ることを選んだ。