とぼとぼと馬を歩ませながら姚令言は考えていた。
「俺はなんだったのだろう」
従う兵も逃げ散ってわずか数人だ。
八ヶ月前、節度使として軍を率い東征に発した自分
雨に打たれ、粗末な給与に激怒した兵達を制することができなかった自分
なりゆきで朱をかついで謀反した自分
反乱の中でも二流の扱いしかうけなかった自分
そして今、叛臣として逃亡する自分
あの時の氷雨がなかったら
皇帝が賞賜の出し惜しみをしなかったら
京兆尹王翃が粗末な飯をださなかったら
俺は決して叛臣などにはならなかった
実直に積み上げてきた俺の軍歴
頂点の節度使までに成り上がった俺
東征で栄誉を受け、忠臣として終わったはずの俺
「俺はなんだったのだろう」
追っ手が背後に迫ってきた
「俺はなんだったのだろう」
従う兵も逃げ散ってわずか数人だ。
八ヶ月前、節度使として軍を率い東征に発した自分
雨に打たれ、粗末な給与に激怒した兵達を制することができなかった自分
なりゆきで朱をかついで謀反した自分
反乱の中でも二流の扱いしかうけなかった自分
そして今、叛臣として逃亡する自分
あの時の氷雨がなかったら
皇帝が賞賜の出し惜しみをしなかったら
京兆尹王翃が粗末な飯をださなかったら
俺は決して叛臣などにはならなかった
実直に積み上げてきた俺の軍歴
頂点の節度使までに成り上がった俺
東征で栄誉を受け、忠臣として終わったはずの俺
「俺はなんだったのだろう」
追っ手が背後に迫ってきた