「とどまってはくれないのか?」
「いつまでも俗塵にふれていては修行の妨げになりますので」
「せめて長壽の道を教えていただきたい」
「女道楽や食道楽をやめ、摂生しを施せば長壽に恵まれます」
「しかしそれは楽しい道ではございませぬ」
「皇帝の生活とは両立できぬものでございます」
道士軒轅集は宣宗皇帝の問に答えた。
「一年間とどまって朕を補佐してくれたら、羅浮山に道觀を立ててやろう」
「建物などはすべて無用の事でございます」と集はつれない。
「それではせめて朕の在位年数だけは教えてくれ」
集は筆を執り四十字を書き、そのうち十四字だけを跳ね上げて書き
山へと去っていった。
宣宗は在位四十年と解釈し喜んだ。
しかし會昌六年から大中十三年の十四年間が宣宗の在位であった。
「いつまでも俗塵にふれていては修行の妨げになりますので」
「せめて長壽の道を教えていただきたい」
「女道楽や食道楽をやめ、摂生しを施せば長壽に恵まれます」
「しかしそれは楽しい道ではございませぬ」
「皇帝の生活とは両立できぬものでございます」
道士軒轅集は宣宗皇帝の問に答えた。
「一年間とどまって朕を補佐してくれたら、羅浮山に道觀を立ててやろう」
「建物などはすべて無用の事でございます」と集はつれない。
「それではせめて朕の在位年数だけは教えてくれ」
集は筆を執り四十字を書き、そのうち十四字だけを跳ね上げて書き
山へと去っていった。
宣宗は在位四十年と解釈し喜んだ。
しかし會昌六年から大中十三年の十四年間が宣宗の在位であった。