唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

辞退

2006-09-17 12:00:11 | Weblog
「あんな奴にこられたらかなわんぜ」

「愿の弟だってよ」

「あいつも吝い奴だったが弟はもっとひどいんだぜ」

「智興の旦那みたいにはいかんぜ」

「いっちょう脅かしてみるか」

王智興が武寧から忠武節度使へ移ったあと

邠寧から李聴(名将晟の子)が移ることになった。

武寧には以前、聴の兄愿が赴任していたことがあり、

当時の家奴が牙將となって残っていた。

家奴にとってはせっかく自由になり、

部将として一人前の顔ができるようになった現在

昔の主家になど来て欲しくはなかった。

そこで兵達をそそのかし、

将兵慰労のため先乗りで来ていた親吏を捕まえさせ

殺して食べてしまう事件を起こさせた。

そして聴に事件を伝える手紙を送った。

「こちらの情勢は極めて厳しいものがあります」

「殿の評判は極めて悪いのでお気をつけください」

聴は懼れて武寧節度使を辞退することにした。