「門前に曹王様がこられています」
「なに。使者が返事をもってきたのか」
「いえ。王様ご自身のようです」
「そんな馬鹿な!こんな所まで曹王様自身がこられるはずがない」
「いいえ、私は顔を存じています、確かに曹王様です」
王國良はまだ信じられない気持ちであったが、砦の門へいそいだ。
そこにみたのはまぎれもない曹王の姿であった。
湖南で数年にわたって反旗を翻していた國良であった。
言い分は確かにあった。
前観察使辛京杲は、國良の家が豊かであるのに目をつけ
罪をでっちあげて殺し、財産を没収しようとしたのであった。
國良は役所内の知り合いからの内報を受け逃亡し
山砦にこもり謀叛を起こした。
西原蠻の酋長として威望は高く
呼応するものが多く勢力は相当のものであったが
國良としては不本意な反乱であった。
何度もの討伐軍をすべて撃退していたが
従う蛮族達にとっても苦しい月日が続いていた。
「もういい加減、平和が戻って欲しい」
そう思っていた矢先に、新観察使の嗣曹王皐からの勧降があったのだ。
しかしなかなか信じることができず、ここにいたっていた。
「やってきたぞ、約束通り」嗣曹王皐はにこにこと笑いながら馬をおりた。
さすがに國良は平伏し罪を謝した。
「私が自らとりなす以上、万に一つの違約もないよ」曹王の言葉に國良はうなずいた。
「ただちに反軍を解散させます」國良は砦を焼き、兵達を帰農させた。
皇帝は喜び、國良に「維新」という名前を賜った。
「なに。使者が返事をもってきたのか」
「いえ。王様ご自身のようです」
「そんな馬鹿な!こんな所まで曹王様自身がこられるはずがない」
「いいえ、私は顔を存じています、確かに曹王様です」
王國良はまだ信じられない気持ちであったが、砦の門へいそいだ。
そこにみたのはまぎれもない曹王の姿であった。
湖南で数年にわたって反旗を翻していた國良であった。
言い分は確かにあった。
前観察使辛京杲は、國良の家が豊かであるのに目をつけ
罪をでっちあげて殺し、財産を没収しようとしたのであった。
國良は役所内の知り合いからの内報を受け逃亡し
山砦にこもり謀叛を起こした。
西原蠻の酋長として威望は高く
呼応するものが多く勢力は相当のものであったが
國良としては不本意な反乱であった。
何度もの討伐軍をすべて撃退していたが
従う蛮族達にとっても苦しい月日が続いていた。
「もういい加減、平和が戻って欲しい」
そう思っていた矢先に、新観察使の嗣曹王皐からの勧降があったのだ。
しかしなかなか信じることができず、ここにいたっていた。
「やってきたぞ、約束通り」嗣曹王皐はにこにこと笑いながら馬をおりた。
さすがに國良は平伏し罪を謝した。
「私が自らとりなす以上、万に一つの違約もないよ」曹王の言葉に國良はうなずいた。
「ただちに反軍を解散させます」國良は砦を焼き、兵達を帰農させた。
皇帝は喜び、國良に「維新」という名前を賜った。