「今日はめでたい日だ、吐蕃との厳しい戦いがすみ平和がおとずれるのだ」
皇帝は出御するとほほえみながら切りだした。
「御意、おめでとうこざいます」と馬燧が応じた。
その日、水において唐と吐蕃の盟約がかわされることになっていたのだ。
吐蕃の何度もの侵攻で唐は疲弊していた。
「はたして平和が来るのでしょうか、吐蕃は信用できるとは思えません」
と柳渾はつぶやいた。
「私も吐蕃など信用できません」と李晟も同調した。
「お前らになにがわかる、特に渾のような書生に邊事がわかるのか」
と皇帝は激怒して叫んだ。
その剣幕に宰相達はひれ伏して謝罪した。
気まずいふんいきの中で廷議も早々に打ち切られた。
その夕、急報が入った。
「吐蕃は違約し、唐の使者を捕らえた」
「吐蕃は再び侵攻を始めた」
皇帝は驚愕し、あわてて宰相達を集めた。
「渾よ、書生でありながらよく夷狄のことがわかるの」
帝はきまり悪げに話しかけた。
このことが骨身にしみたのか
帝は長い治世に二度と吐蕃と交渉しようとはしなかった。
皇帝は出御するとほほえみながら切りだした。
「御意、おめでとうこざいます」と馬燧が応じた。
その日、水において唐と吐蕃の盟約がかわされることになっていたのだ。
吐蕃の何度もの侵攻で唐は疲弊していた。
「はたして平和が来るのでしょうか、吐蕃は信用できるとは思えません」
と柳渾はつぶやいた。
「私も吐蕃など信用できません」と李晟も同調した。
「お前らになにがわかる、特に渾のような書生に邊事がわかるのか」
と皇帝は激怒して叫んだ。
その剣幕に宰相達はひれ伏して謝罪した。
気まずいふんいきの中で廷議も早々に打ち切られた。
その夕、急報が入った。
「吐蕃は違約し、唐の使者を捕らえた」
「吐蕃は再び侵攻を始めた」
皇帝は驚愕し、あわてて宰相達を集めた。
「渾よ、書生でありながらよく夷狄のことがわかるの」
帝はきまり悪げに話しかけた。
このことが骨身にしみたのか
帝は長い治世に二度と吐蕃と交渉しようとはしなかった。