唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

陰図

2006-09-09 18:51:40 | Weblog
「くそ、藩の奴図りやがったな」

「あのままなら俺が武寧軍の節度使になっていたはずだ」

濠州刺史杜兼は怒り狂っていた。

名門の兼にとって刺史などでは不満であった。

武寧の張建封が重病と聞き、見舞いと称して徐州に入った。

そしていろいろと工作を始めた時

建封の幕僚である李藩より問いつめられた。

「節度使が重病の時に支州の長が州を離れてよいものでしようか」

「州を守るため速やかにお戻りください」

一言もなく兼は帰るしかなかった。

州に帰り着くまもなく建封の喪が発表された。

そして子の?が自立することになった。

「あの時、建封は既に死んでいたんだ・・・」

「もう少しで乗っ取ることができたのに」

「藩め、思い知らしてやる」

兼は、藩が?の自立を図ったと誣告した。

そのため皇帝の審問に呼び出されることになったが

藩の風儀と安雅さに感じた帝はかえって任用することになった。