李承嗣は、楊行密との会見の後、すこぶるご機嫌であった。
朱全忠に逐われて朱瑾とともに惨めな敗走を続け
やっとの思いで行密のもとに逃げ込んできたのであった。
騎兵の弱い淮南地方だから匿ってはくれると思っていたが、
その歓迎は予想以上のものだった。
「よくきてくれた、来てくれるのを待ち望んでいたのだぞ」
「最高の邸宅と女を準備してある、ゆっくり休んでくれ」
「瑾殿は俺の次席に、承嗣殿は騎兵の大将だ」
「これで俺の呉国も安泰だ」
待ちかねていたかのように
行密は満面の笑みをたたえ、
盛大な歓迎の宴を開いてくれた。
与えられた邸宅に戻ると、その豪華なことは生まれてから
みたこともないようなものだ。
部下達も厚く賞賜をうけ喜んでいる。
蛮族沙陀の一員として李克用に仕え各地を転戦してきた承嗣であるが
これほどの扱いを受けたことはない
「士は己を知る人のためには死を厭わないという」
「行密殿のために一身を捧げよう」
やがて南下してきた全忠の大軍を、朱瑾と李承嗣は死戦して大破した。
全忠の江南制覇は挫折することとなった。
朱全忠に逐われて朱瑾とともに惨めな敗走を続け
やっとの思いで行密のもとに逃げ込んできたのであった。
騎兵の弱い淮南地方だから匿ってはくれると思っていたが、
その歓迎は予想以上のものだった。
「よくきてくれた、来てくれるのを待ち望んでいたのだぞ」
「最高の邸宅と女を準備してある、ゆっくり休んでくれ」
「瑾殿は俺の次席に、承嗣殿は騎兵の大将だ」
「これで俺の呉国も安泰だ」
待ちかねていたかのように
行密は満面の笑みをたたえ、
盛大な歓迎の宴を開いてくれた。
与えられた邸宅に戻ると、その豪華なことは生まれてから
みたこともないようなものだ。
部下達も厚く賞賜をうけ喜んでいる。
蛮族沙陀の一員として李克用に仕え各地を転戦してきた承嗣であるが
これほどの扱いを受けたことはない
「士は己を知る人のためには死を厭わないという」
「行密殿のために一身を捧げよう」
やがて南下してきた全忠の大軍を、朱瑾と李承嗣は死戦して大破した。
全忠の江南制覇は挫折することとなった。