宰相盧杞にとって、顔眞卿は煙たくてしかたがなかった。
常に正論をとなえて、左遷されても譲ることがない。
他の諸卿は杞を憚るが、眞卿は直言してくる。
杞の父が殺されたとき、埋葬してくれた恩があるので
無碍には排除することもできない。
建中四年諸鎭の反乱はますます勢いを増してきた。
「李希烈をどうしたらよいだろう」
と皇帝から諮問があった。
杞はこれ幸いとばかり答えた。
「希烈は若く、剽悍で功績があり、驕り高ぶっています」
「普通の者にはそれを諫めることなどできません」
「ただ長老で功績の高い重臣が行けばなんとかなるでしょう」
「それは誰だ」と帝
「三代の功臣として名が高い、眞卿様しかおられません」
「そうか。卿に御足労願おうか」
それを聞いて朝廷は騒然とした。
李希烈のもとなどに行けば、良くて虜囚、悪ければ殺されるだけだ。
しかし眞卿は降命を受けると直ちに出発した。
常に正論をとなえて、左遷されても譲ることがない。
他の諸卿は杞を憚るが、眞卿は直言してくる。
杞の父が殺されたとき、埋葬してくれた恩があるので
無碍には排除することもできない。
建中四年諸鎭の反乱はますます勢いを増してきた。
「李希烈をどうしたらよいだろう」
と皇帝から諮問があった。
杞はこれ幸いとばかり答えた。
「希烈は若く、剽悍で功績があり、驕り高ぶっています」
「普通の者にはそれを諫めることなどできません」
「ただ長老で功績の高い重臣が行けばなんとかなるでしょう」
「それは誰だ」と帝
「三代の功臣として名が高い、眞卿様しかおられません」
「そうか。卿に御足労願おうか」
それを聞いて朝廷は騒然とした。
李希烈のもとなどに行けば、良くて虜囚、悪ければ殺されるだけだ。
しかし眞卿は降命を受けると直ちに出発した。