唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

帝舅

2006-09-13 17:55:19 | Weblog
「どうされたかの、義父上」

宣宗の義父鄭光があたふたと入朝し拝謁を求めた。

「昨日、家令が京兆尹の手先に捕まってしまっての」

「釈放を求めたんだが、韋澳は絶対認めんと言っている」

「すべてを任した家令なんで、困っているんじゃ」

「なんとか澳にいってやってはくれんかのう」

帝舅とはいえ、あまり能も才もない光はおろおろと訴えた。

やがて京兆尹の韋澳が入朝してきた。

「光の家令を釈放してやってくれ」と帝

「それでは陛下の法は貧民にだけ適用されるのですか?」

「京師の政が乱れているというので私を任命されたわけですが」

「光家は何年も租税を納めていませんし、督促も無視しています」

「豪家はみな税を踏み倒し、貧家だけに負担させているんですよ」

と澳はまくしたてた。

たじたじとなった帝は

「義父には法を守るように強くいうので、今回だけはなんとかしてくれ」

とたのんだ。

澳は京兆府に帰り、さっそく家令を鞭打ち、今までたまった租税を
あらいざらい納めさせてから釈放した。

京師の豪家は粛然として政令にしたがうようになった。
コメント
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