「どうされたかの、義父上」
宣宗の義父鄭光があたふたと入朝し拝謁を求めた。
「昨日、家令が京兆尹の手先に捕まってしまっての」
「釈放を求めたんだが、韋澳は絶対認めんと言っている」
「すべてを任した家令なんで、困っているんじゃ」
「なんとか澳にいってやってはくれんかのう」
帝舅とはいえ、あまり能も才もない光はおろおろと訴えた。
やがて京兆尹の韋澳が入朝してきた。
「光の家令を釈放してやってくれ」と帝
「それでは陛下の法は貧民にだけ適用されるのですか?」
「京師の政が乱れているというので私を任命されたわけですが」
「光家は何年も租税を納めていませんし、督促も無視しています」
「豪家はみな税を踏み倒し、貧家だけに負担させているんですよ」
と澳はまくしたてた。
たじたじとなった帝は
「義父には法を守るように強くいうので、今回だけはなんとかしてくれ」
とたのんだ。
澳は京兆府に帰り、さっそく家令を鞭打ち、今までたまった租税を
あらいざらい納めさせてから釈放した。
京師の豪家は粛然として政令にしたがうようになった。
宣宗の義父鄭光があたふたと入朝し拝謁を求めた。
「昨日、家令が京兆尹の手先に捕まってしまっての」
「釈放を求めたんだが、韋澳は絶対認めんと言っている」
「すべてを任した家令なんで、困っているんじゃ」
「なんとか澳にいってやってはくれんかのう」
帝舅とはいえ、あまり能も才もない光はおろおろと訴えた。
やがて京兆尹の韋澳が入朝してきた。
「光の家令を釈放してやってくれ」と帝
「それでは陛下の法は貧民にだけ適用されるのですか?」
「京師の政が乱れているというので私を任命されたわけですが」
「光家は何年も租税を納めていませんし、督促も無視しています」
「豪家はみな税を踏み倒し、貧家だけに負担させているんですよ」
と澳はまくしたてた。
たじたじとなった帝は
「義父には法を守るように強くいうので、今回だけはなんとかしてくれ」
とたのんだ。
澳は京兆府に帰り、さっそく家令を鞭打ち、今までたまった租税を
あらいざらい納めさせてから釈放した。
京師の豪家は粛然として政令にしたがうようになった。