唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

誅滅

2006-09-16 16:03:43 | Weblog
「また節度使が追われたそうですな」

「あそこの兵は傲慢でどうしようもない」

「王智興がさんざん甘やかした後ですからな」

「それにしても長すぎる、いい加減に抑えないと」

「王式がいいですな、軍も連れていますし」

「そうそう式がいたな、浙東から引き上げてくるはずだ」

「今度という今度は徹底的にやってしまいましょう」

武寧節度使は札付きの驕兵があつまり、

代々の節度使はご機嫌取りをしてただ任期が終わるのをまつだけであった。

前使の田牟にいたっては兵達と混じって座り宴会を重ねていた。

次の温璋に代わると、歓迎宴で兵達は誰も飲食せず無視してかかった。

そして理由にならない理由で乱を起こして逐ったのだった。

式は浙東の仇甫の乱を討滅した忠武・義成の強兵を引き連れて赴任した。

その威力の前に武寧の無頼兵も緊張し、粛然として出向かえた。

三日後、式は忠武・義成兵の帰還式を行うとして、武寧牙軍と共に整列させた。

帰還軍は完全武装して牙軍を取り巻き、式の号令とともに襲いかかった。

数千を悉く誅滅するのに数刻もかからなかった。

式は他の兵達を地方へ転出させ、武寧軍を廃止し去った。

しかし驕兵の一派は隠れ潜んで根絶することはできなかった。
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