五千円札の肖像ですっかりメジャーになった樋口一葉。本屋でなんとなく目に留まった「一葉」という伝記小説を読み始めたのだが、よく考えたら一葉の著作を一つも読んだことがない。伝記を読むのはそれからだろう、ということで角川文庫の「たけくらべ・にごりえ」を購入。
当然、明治初期の旧文体なので、はじめはとっつきにくい。が、読み進めるにつれ、そのリズミカルな文体が心地よく響き始める。思うに、当時としてはかなりポップな文章だったのではあるまいか。今でいえば綿矢りさとか、そんな存在か。ファッション(当然和服だが)の描写が多いところが若い女性らしい。
表題の代表作2作をはじめ、短編が6作収録されていたが、いずれも男女の情愛をテーマにしたもの。あんまりドロドロした印象のものはなく、軽い気持ちで読むことができたが、そこはかとなく人の世の無常というか、やりきれなさを感じさせられる。
いちばん気に入ったのはやっぱり「たけくらべ」かな。幼い恋心を描いた青春小説。瑞々しいイメージが心地いい。
当然、明治初期の旧文体なので、はじめはとっつきにくい。が、読み進めるにつれ、そのリズミカルな文体が心地よく響き始める。思うに、当時としてはかなりポップな文章だったのではあるまいか。今でいえば綿矢りさとか、そんな存在か。ファッション(当然和服だが)の描写が多いところが若い女性らしい。
表題の代表作2作をはじめ、短編が6作収録されていたが、いずれも男女の情愛をテーマにしたもの。あんまりドロドロした印象のものはなく、軽い気持ちで読むことができたが、そこはかとなく人の世の無常というか、やりきれなさを感じさせられる。
いちばん気に入ったのはやっぱり「たけくらべ」かな。幼い恋心を描いた青春小説。瑞々しいイメージが心地いい。