そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

野田朱美さんの課題提起

2012-03-20 19:58:03 | Sports

今日の日経朝刊スポーツ面に掲載されていた野田朱美・日テレベレーザ監督によるコラム、地に足が着いた良記事だったので、以下メモ。

 さて、アルガルベを見ながら頭をよぎったことがある。女子サッカーが大きな岐路に立っているような気がしたのだ。先人の努力でW杯を開催し五輪種目にもなった。そこに達成感がある一方、全世界的に見て次にどうステップアップしていくべきか方向性が霧の中にあるようにも感じた。
 例えば上位10チームの顔ぶれは多少の変動はあってもいつも同じ。よって組まれるカードに変化は乏しい。分母が増えていないから女子サッカー全体が細長いピラミッドみたいに見えてしまう。
 試合の中身もビルドアップとかポゼッションとがどうとかスタイル先行の話が多いけれど、もっと基本に立ち返らないといけないのではないか。アルガルベでも日本に限らずイージーミスを重ねた上、ということが多かった。ボールを止めてける、という基本動作がもっとスムーズにやれたら女子サッカー全体がワンランク上に行けると思うのだが。
 昨年、W杯を制したことで女子サッカーは急速に日本で認知された。認知の次に来るのは評価という物差しだろう。その中には「男子に比べて」という最も厳しい評価軸もあるはずで、そんな目線で見られたら女子のサッカーはまだまだと認めざるを得ない。
 今は手放しでほめられることが多いなでしこだが、しっかり評価されることが成長には必要。それが一過性のブームから本当にコアなファンをつくっていくことにもつながるのだと思う。

「なでしこ」ブームを眺めながら、自分が常々感じていたことを言語化してくれた、という点で感服しました。

アルガルベの決勝ドイツ戦にしても、試合終了間際に双方相手のミスから得点を取り合うバタバタの展開。
観てる分にはドラマチックで面白いといえば面白いんだけど、(男子の)サッカーを見慣れている身からすると、試合の終わらせ方という点で双方洗練度の低さのほうが気になってしまいました。

上位国の顔ぶれがいつも同じ、というのもその通りで、しかも強豪国である米国やドイツにしても、体格や体力で勝負している感じで、あまりサッカーの質の高さは感じられない。
質という点では「なでしこ」のサッカーは一段上を行っているんですよね。
ぜひともその質をますます向上させて、他の強豪国に刺激を与えることで全体のレベルアップに寄与してもらいたい。
それに加えて、女子サッカーに力を入れる国の裾野をもっと広げること。 

そうやって女子サッカー全体が真のレベルアップを遂げたときに、日本の女子が強豪で居続けられるかが次の勝負ですね。
女子バレーや女子マラソンのように、その地位をずるずると下げていくことなく。
なんとなく、今の「なでしこ」の選手たちのメディアにおける扱いがかつての女子バレーのそれと重なるところに嫌な予感がしたりするのですが。 

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暗い世の中の明るい消費

2012-03-20 17:27:00 | Economics

昨日(3/19)の日経朝刊に、しまむら社長の野中正人氏へのインタビューが掲載されていました。

「消費者がプラス思考になっている。政治や経済情勢など、世の中の悪いことを批判的にみていた空気が薄らいだように思える。そんな不満をぶつける場合ではなく、一人ひとりが元気に行動を起こそうとしている」

「淡いピンクやグリーンの商品がよく動いている。これは景気拡大期にみられる現象だ。売り場の見栄えをよくするためにもっと目立つ色彩の衣料品を陳列すると、その商品が先に売れている。リーマン・ショック後の消費風景とは全く違う」

うん、なんとなく実感としてわかります。
確かに、ここ最近、そんなムードを感じる。

相変わらず政治はダメダメだし、国家財政も就職難もエネルギー問題も明るい兆しは全く見えないけど、いい意味で国民が政治を見放し始めたというか。
個人的にも、前の首相と前の前の首相には時に殺意?を憶えるほどの憤りを感じたけど、今の野田政権にはそんな怒りの感情すら浮かんできません。
開き直りというか、関心が起きない。 

「単価は上がっている。客単価や1品単価は前年比で2~3%の上昇だ。この傾向は昨年あたりから顕著だ。確かに、絶対的な価格の安さを求める消費者もいるが、価格と商品価値のバランスを考える消費者は多い。明確な価値が分かると値下げしなくても売れる」

このへんも世相を反映してますよね。
老後のためにせこせこ節約して小金を貯めたところで、人間なんていつ死ぬかわからない。
一年前の大震災から、そんな感覚も生まれているような気もします。

「景気刺激策の家電エコポイントの終了で、対象以外の商品やサービスの支出に回った可能性が高い。百貨店の売り上げが堅調なのも、そうした影響が出ているのではないか」 

面白いですね。
やっぱし、消費行動をゆがめるような政策なんて、採るべきじゃないな。 

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