そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

『沈黙博物館』 小川洋子

2014-12-21 20:21:17 | Books
沈黙博物館 (ちくま文庫)
小川洋子
筑摩書房


Kindle版にて読了。

この前に読んだ『薬指の標本』と似たテイスト、というか、「形見を収蔵する博物館」という設定は「標本」とモチーフが同じと言ってもよい。
ただ、こちらは長編だし、サスペンス的な要素も盛り込まれている。
世界観は隅々まで完成されており、そこはかとない違和感を覚えながら、その世界に心地よく浸ることができる。

しかし『薬指の標本』からも感じたのだけど、作劇にやや既視感があるというか、世界観ほどのオリジナリティを感じないのだよな。
無難すぎるというか。
今一歩の毒気だとか官能性だとかが欲しくなってしまう。
コメント
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