リーン・スタートアップ | |
エリック・リース | |
日経BP社 |
Kindle版にて読了。
エピローグで、「やってはいけないことをすばらしい効率で行うほど無駄なことはない」というピーター・ドラッカーの言葉が引用される。
今や、製造能力なら、人が思いつくものであればなんでも作れてしまう時代。
だからこそ問うべきは「作れるのか?」ではなく「作るべきなのか?」。
リーンな考え方における「価値」とは、顧客にとってのメリットを如何に生み出すか。
だが、それは最初からは分からない。
それゆえ、「『何が顧客にとって価値を生み出すか』について学んだかどうか」が重要になる。
まず仮説を立てる。
そして、投入した労力から検証による学びをどれだけ得られているかを定量的に計測する。
戦略のどの部分が優れていて、どの部分が狂っているのかを検証できなければならない。
定量的に計測して、よい結果が得られなければ定性的なフィードバックを求める。
仮説には、何が顧客にとっての価値を生み出すかという「価値仮説」と、最初の顧客から広がっていく道筋についての「成長仮説」がある。
まずはアーリーアダプターを対象に試す。
それがその先のフォロワー顧客に広がっていくかどうか。
持続的成長とは、過去の顧客の行動が新しい顧客を呼び込むことである。
うまくいかなかったら「ピボット」を行う。
ピボットとは、根本的な仮説の再設定のこと。
あと何回ピボットを行う時間が残されているか?が大切。
だから、仮説検証のフィードバックループの一周に要する時間を最小化することを心掛けなければならない。
…こうして要点を書き連ねてみると、この本から学べるのは決してスタートアップ企業だけではないことが分かる。
新たな事業に踏み出そうとする、すべてのビジネスパーソンにとって学びを得られる一冊だと思う。