初夏の花を求めて、久しぶりに大阪熊取の長池公園を散歩しました。
散歩コース沿いに咲く色取り取りの花たちが美しい姿で歓迎してくれました。
今日はその中から「ジギタリス・プルプレア」の花をご紹介します。
「ジぎタリス・プルプレア」は、ゴマノハグサ科、ジギタリス属の耐寒性多年草です。
原産地はヨーロッパ南西部で、日本への渡来は明治12年頃といわれています。
別名は、「キツネノテブクロ」と言い、花の形を狐の手袋に見立てた英名の「フォックスグローブ」を意訳したものですが、この名前の由来については下記をご参照ください。
・花が美しい「ジギタリス・プルプレア」です。
「ジギタリス」の草丈は1~1.5mになり、5月~7月に花筒の内側に斑紋の入った釣鐘状の花を斜め下向きにたくさんつけます。
花色は紅、紫、ピンク、白、淡黄色などがあり、葉は互生し、下部のものほど長大になります。
「ジギタリス」は、鑑賞用や薬用として栽培されており、乾燥させた葉を強心利尿薬や、うっ血性心不全、それから生じる浮腫(ふしゅ:むくみのこと)や虚血性心疾患、心臓弁膜症などに用いられるようです。
「ジギタリス」はイギリスで民間療法薬として用いられる薬用植物であり、1785年にスコットランドのウィザーリング医師が心筋の機能低下に伴う水腫、浮腫の治療薬として導入に成功したそうです。
しかし、日本では、現在薬用としての栽培はなく、鉢植えや花壇で観賞用として栽培されて切り花などに利用されています。
・美しい花ですが毒性があるので注意しましょう。
(参考)
「フォックスグローブ」の名前の由来
「ジギタリス」は紀元500年頃、古代ローマ時代から、炎症に外用薬として、また、腫瘍に軟膏の形で用いられたと記録にあるそうです。
しかし、その毒性も古くから知られていたようで、死者の魂が宿る草とか、妖精の草、更には、濃い紫色の斑点は妖精が毒のあることを知らせるためにつけたもの等、いろいろなことが信じられていたそうです。
このため、イギリスでは、昔は魔よけの花と云われていたようです。
また、狐の尻尾が魔除けに使われたりすることもあって、妖精や狐と花の形が結びつき、「狐と仲のよかった妖精は、狐が晩のご馳走のために鶏小屋を襲う時、足跡から犯人が分からないようにとこの花の手袋を贈った」と云う伝説から、13世紀のウェールズの薬学の本にこの植物は”fox glove”とあるそうです。
これを直訳したのが「キツネノテブクロ」で、この名前が日本の標準和名となっているようです。