「真田」という姓、「幸」という通字で分かる通り、著者は信州松代藩真田家の出である。金融業界で長く活躍された後、現在は愛知淑徳大学の教授。
書名だけ見ると、何か陰謀論の本かと思われるかも知れないが、内容はきわめて真面目である。著者はドルが基軸通貨の地位から崩落した場合、日本が選択可能なオプションを複数検討し、著者の見解を提示する。
冒頭、「世界の支配層の意思」には、尖閣問題をこじれさせて日 . . . 本文を読む
「天地人」は、大河ドラマ史上はじめて関ヶ原を「負けた側」から描くというのが一つの売りになっている。ぜひ西軍の側から、従来の関ヶ原の合戦に対するステレオタイプな見方を修正して欲しい。あの合戦は作戦的にはほぼ西軍が勝っていたのだ。私は、西軍に属して戦った側(の子孫)として、いまだに謎の多い関ヶ原の合戦に関して言いたいことが結構ある。そこでいくつの論点を書きたい。
なぜ上杉軍は南下して徳川軍を追撃 . . . 本文を読む
師走で多忙につき、全くブログの更新を怠ってしまいました。申し訳ございません。
毎週楽しく見ていた大河ドラマ「篤姫」も終わった。「篤姫」は徳川幕府の「滅びの美学」を描いたが、次の大河ドラマの「天地人」は関ヶ原の合戦の上杉を描くことにより「負ける側のいさぎよさの美学」を描くようだ。
日本経済が右肩上がりだった頃は勝者の側から見た歴史ドラマが多く制作されてきた。現在、敗者の側の歴史が重視されるよ . . . 本文を読む
先月の11月22日放送のNHK「その時歴史が動いた」で、「我が手に郷土を ―真田昌幸・信州上田の市民戦争―」と題して、1585年と1600年の二度にわたって展開された、「真田VS徳川」の上田合戦が取り上げられていました。二度とも小大名の真田軍が天下の覇者の徳川の侵略軍に大勝したのです。私の地元の話しなので、この番組の感想をエントリーします。
今回、NHKが焦点を当てていたのは、守り手の真田軍が、農民・商人など「全上田市民」を篭城戦に参加させていたという事実でした(市民という言葉の使い方が妥当か否かに関しては異論があると思いますが・・・)。真田昌幸が、市民防衛隊による郷土防衛戦争としての性格を持たせて合戦を戦い、これが徳川軍に対する勝利につながったという分析です。 . . . 本文を読む