三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

稲庭うどん・佐藤養助本店

2008年04月06日 07時27分45秒 | おとこの料理&食

先日の取材出張では、秋田県湯沢市の山側の方で、
稲庭うどん発祥の地に近く、有名な「佐藤養助」本店がありましたので、
ものは試しと、ちょうど昼食時、行って参りました。
七代、という触れ込みですから、創業は江戸時代くらいになるのでしょう。
周辺地域を走るとわかるのですが、
近くには漆塗りの技術伝承の産業が見られます。
とくに仏壇屋さんが多いのにはびっくりいたしました。
日本で一番多いのではないと思うくらい、地場産業になっているようです。
漆塗りって、冬場の寒さが厳しくて、湿度が高いという条件の土地がいいそうです。
ということで、日本海側の積雪地域はそういう条件に当てはまる。
南は能登半島の一帯、輪島塗が有名ですね。
秋田、さらには津軽地方など、独特の文化圏を形成しています。

この佐藤養助本店がある地域も、そうした気候風土の中にあり、
その工場も見学いたしましたが、
ほとんど手作りのようにして、稲庭うどんを製造しているのですね。
粉を練ってこねて、という作業を繰り返すのだそうですが、
そういう空気感も関係しているのだろうと思われます。
しかし、いまの稲庭うどんの隆盛を築いたのは、やはりマーケティングでしょう。
そもそもが乾麺なので、観光みやげなどに最適。
それもうどんという、ベーシックな商品で物語性を持たせる地域ブランド。
そういう自己演出を心がけてきたやり方の確かさを感じます。
きっと、企業としては安定経営しているようで
本社工場周辺には、社有施設のゴルフ練習場もありました(笑)。

まぁ、そういうのは別にして
食べ物なので、楽しく食べたい。
今回は「食べ比べ」というメニューで、温麺とざるうどんの両方をセットしたものを。
それぞれの食感があって、まずまず。
細麺なので、食べやすくて、
それでいて、そこそこの麺の粘性が感じられて
腹ごたえも感じられる。お腹にやさしい食感とでも言えましょうか。
その粘性の中に、この地域の空気が練り込まれていて風土感も感じる。
というような感じでしょうね。
ごらんのように写真を撮らせてもらったのですが、
「写真撮ってもいいですか?」
と、お店のいかにも秋田美人のお姉さんに聞いたら
はにかまれてしまいました(笑)。
「あ、そうじゃなくて、うどんの写真だけれど・・・」
他愛のないやり取りにも、この土地らしさが伝わってきました。
たいへんおいしかったです、ごちそうさまでした。

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