リキデンタルオフィス 医療関係者向けブログ

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基礎を大切に

2012-03-04 13:10:43 | Weblog
今回のテーマは無歯顎の欠損補綴について。

昨今インプラント補綴が注目される中、
インプラントと義歯を絡めた欠損補綴というものも
多く取り入れられるようになってきた。
しかし中には無歯顎の顎堤に6本近くのインプラントを植立し、
オーバーデンチャータイプの治療を行なっているという
意味のわからないものもたまに見かける。
設計がどうこう、インプラントによる義歯の安定どうこうより
患者に無駄に費用をかけさしていることに疑問をいだくが、
インプラントを覚えた歯科医はどうもインプラントに依存する傾向がつよい。

無歯顎への補綴治療、通常なら総義歯治療であるが、
結構みな総義歯治療に手をこまねいているのが実情である。
総義歯への治療にはいくつかの流派がこうすればうまくいく、
このコンセプトがよい、etcといっているが、私はそんなもの興味ない。
よくよく考えてもらいたい。学生のころ、授業で習った手順と臨床において、
確実なステップと手技で十分機能する義歯は作れるものだ。
良い義歯の結果というものは、完成したての義歯を口腔内に
いれた時点では評価出来る訳がない。 それを患者が継続的に日常生活で使ってみて、
快適に食事ができ、快適に会話できていることで初めて評価できるのである。

今回、当院で保険診療で作成した総義歯の3ヶ月後のリコールの時に
撮影した動画を提示しよう。
ライオンのデイアップという噛むトレーニングをするための硬めのガムを
噛んでもらっている動画である。(患者にはY-tubeにアップすることを承諾済)

ここクリック★24年1月撮影・総義歯 噛むメンテ★

保険総義歯でも全然問題ないのである。自由診療で金属床にするか
人工歯を良いものにするか、レジン床をリアルなガムタイプにするかは
このような機能的なことが達成できなければ、全く意味がない!!

無歯顎症例に対してインプラント治療を考えるのは、患者の当初からの要望か
どうしようもないくらい難症例のときに考えるものである。
こんなことばっかしてたら儲からない、と思うかもしれない
 (、、でもほんと収入は増えない…(悲)) が、地域医療に貢献することを
うたい文句に医院を構えているなら、基礎的な技術をおろそかにしてはなりませぬ。