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予防歯科って?

2014-01-14 07:50:08 | Weblog
昨今、多くの歯科が予防歯科について宣伝している。
しかし中には間違った考えのもとで予防歯科に取り組んでいるところもある。
定期的に医院で口腔内の器械的清掃をすることが予防であると考えてるみたいである。

予防に積極的に取り組んでいるという歯科医や歯科衛生士に今迄多く会ってきたが
『あなたの考える予防歯科の定義を聞かせてください』って訊ねたとき
的確な定義を話してくれた人はほとんどいなかった。
ネット上でも、予防歯科について、定期健診などで歯周病や虫歯を予防し
健康増進を促進するといった大まかな要旨はほとんど同じであり、
その内容も的確なことを述べてるものにお目にかかったことはない。

予防における根源とすべき定義の一つは〝患者のセルフケア″である。
もう一つの医療側の根源とすべき定義というものはここでは明記しないが、
患者が医療側に自身の口腔内管理を丸投げすることは予防ではない。

症例を提示する。
50代の女性、中程度のペリオに罹患している口腔内である。
この様な口腔内でペリオに関して我々がまず行うべきことは、
すぐに器械的清掃を行うことより、患者自身にセルフケアの大切さを
身をもって分かってもらうことである。
ゆえ、毎日のブラッシングを今迄以上に気をつかうことを覚えてもらう。
そうすることでプラークだけでなく、ある程度の歯石までとれることを
理解してもらう。医院側による器械的清掃はその後行うべきである。
このブラッシングの威力を患者がわからなければ、定期的に医院で
我々が清掃しても意味は全くない。
これは非常に時間がかかることだが、予防歯科においては基本中の
基本である。このモチベーションが確立したときの口腔内の予後を
皆さんの医院でも実践して観察・確認してもらいたい。

またこのことにおいて我々は患者の記録(口腔内写真とレントゲン)を
撮り続けなければならないが、医療人であるなら当たり前のことである。
予防歯科を掲げるならなおのこと。