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私の日常臨床 37の続き 2

2018-10-29 13:12:35 | Weblog
他院からの処置依頼症例

最終補綴(すべて保険診療で行った)から1ヶ月後の来院でも今まで悩んでおられた症状は全くなく、
咬合も非常に安定している経過である。

前回も述べた様に、この症例において、スタビライゼーションスプリントで
顎位の模索とやらを行ったり、AG構築を行ったりする必要性はまったくない。
それは患者が悩んでいた症状から解放された事実と、口腔内の経過がそれを証明している。
この症例、患者にはナイトガードは必要ないと判断し、使用はさせていない。
これらの理由は、ウェブ上では明記はしない。

机上の論議をもとに診断や治療計画を行うことは間違いではないが、
個々の症例においての症状を慎重に診査し、的確な診断と処置を行う中で
必要とされるものとそうでないもののスクリーニングは、臨床経験だけでなく
専門的な知識も必要であるが、これらを発揮できる力は、何よりも
「患者に対して愛情をもって心血を注いでみてあげられるか」と考える。

よく原因がわからないと思われる事例に対しては、保険だから 自費だから という感覚なしで、
この心血を注いでみてあげる姿勢を是非実践してもらいたい。
見えなかった原因や所見が、培った知識と経験より紐解きができるようになると考える。
実践してもらえると、私のいってる意味がよく分かると思う。