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働き方改革の展望

2024-02-06 08:15:17 | Weblog

ここ最近、個人的には仰天する歯科界事情をきいた。
厳格に決められた労働時間と休日の話は以前から知っていたものの、
近年は、歯科助手や歯科衛生士などのコ・デンタルスタッフを雇用する場合、
スタッフらのスキルアップや知識向上のために講習会や学会に参加させるなら
その参加登録費が必要な場合、それを医院側が負担するのは当たり前だが、なんと別途で
当人に日当や交通費を(もれなく代休を与える場合も)支給する必要があるらしい。
これは勤務する歯科医師に対しても同様らしい。
なんてこったな時代になったものである。

とある歯科医院の院長が私にこぼした愚痴
その医院に就職して間もない若い歯科医に対して
「〇×講習会、費用全部だしてあげるからこの日曜日に行く?」ときいたら、
返ってきた最初の返答が
「翌日は仕事休んでいいですか?」、、だったらしい…
最初に出る返答はこれじゃないでしょ!っと、ツッコむ気も失せる思考である。
この類の思考回路をもつ者は、ほんのごく少数しかいないと信じたい。

労働時間や給与、休日、有給休暇などの労働者にとって
悪い言い方をすればユルユルになってしまった雇用待遇条件…
つくづく思うこと、
自戒や苦境なくして、プロ意識や自己啓発という意識が本当に発展するのであろうか…
自身にとって壁が立ちふさがるとき、容易に根をあげてしまう要因となるだろう。
今風にいえば「めんどくさいことはイヤ」である。

そして当たり前となっているこの歯科医院事情、
必然的に起こる現象、、、これらの費用を含めるため、売上を伸ばす医院経営である。

大きい規模の医院で働く勤務医の何人かが、私に悩みを相談してくることが多いが
その殆どの理由が、「売り上げをあげろ」「保険より自費をすすめろ」と
経営者から強く要請されるらしい。そもそも、勤務医に配当されるような症例では
無理があるし、良心が痛むという嘆きも多い。この様な類の相談、なんて答えればよいか、、
経営者の気持ちもわかるので、患者ともよく話合い、
患者と経営者、双方の妥協点をみつけた方がよい、としか助言しようがない。
ただ勤務医は、自由診療を行う場合、自信と患者に高い満足を得てもらうために
高い水準の学識とスキルを身につけるための相応の努力が必要である。また自分を追い込む必要もある。
ユルユルの雇用環境では、ユルユルな(安易な)思考のもとでしか医療は提供できないと思うが…

そもそも大きな規模の医院を構えるということ自体が、増収増患のために、広告費やグーグルなどの口コミ評価をあげてくれる会社への出費等
本来不必要なことや、スタッフ教育のための出資などなどをしなければならない事態を引き起こすのだが…
私は医療にマーケティングなどは必要ないと思うため、どうしてもこのことが理解できない。
こじんまりとした規模の医院で、来院する患者の口腔内に医院の利益を求めたの眼でみることなく
じっくりと向き合うことを最優先するという考えを何故もてないのだろうか、、

器材や材料がいくら技術革新され、先進医療が患者に提供できるようになったとしても
皮相浅薄な歯科医が先進医療を掲げ、それを増収に利用した結果、治療後の予後において
トラブルが多くなっている事実は否定できない。

昨今浸透してしまった医業に対する向き合い方(働き方)では、医療の本質に回帰することは困難であろう。
便利な世の中というものは、大切な精神を封殺しまうことを我々は注意しなければならない。


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