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人と人のつながり

2017-10-07 13:08:24 | Weblog
丸橋賢先生の書籍を読んでいて、とても感銘を受ける内容が多々あったことは、以前にも紹介したが、今回はその内の一つをまた紹介したい。
添付写真に書かれている内容、ある問題についてその問題を紐解くために書かれている内容であるが、その内容はともかく、
この一説、我々の日常臨床や人間関係にも相通じることがある。
当院は治療中に転院してくる患者が非常に多くおられ、そのような方々の中には、治療計画や治療方針などの説明を行う時、
それは保険診療の範囲なのか、自費で行うのなら幾らするのか、といったことを、もごもごした感じの話方をする方や、
時には保険診療範囲内で色々考えているにも関わらず、
「また、ここも儲けるためにこんな計画を提案するのか…」ということを思っているであろう様相がひしひしと伝わってくる方もいる。
しかし、これは患者が悪いわけではない、歯科医療界が患者をこのようにしてしまったのである。
それゆえ、このような時、本当に医療人として悲しくなる。
そもそも、転院を決めるほとんどの場合、患者が疑心暗鬼になり、信頼できなくなる、というのが患者の心境であると思うが
巷でよくいわれる「患者との信頼関係をつくる」とは何かを考えざるえない。

「患者様、お痛みはございませんか?」「~様に適したプランをいくつかご提案します」
「この歯は予知性がないため、抜歯したあとインプラント治療をお勧めします」
「クリスマスイベントを行いますので、ぜひお子様をお連れになって楽しんでください」などなど、、
患者にとって優しく接し、リラックスしてもらうことで信頼関係を構築するねらいかもしれないが、これは経営的接客の部類である。
このように医療が経営(ビジネス)になった時点で、丸橋先生がいう『信頼関係』でなく、単なる『便宜的関係』にすぎない。 
ましてや「月間売り上げ目標」など院内でスタッフに掲げるようであれば尚更である。

医院の方針がどうこうという前に、なんとかしてほしくて来ている患者なのだから、目の前にある病態に対して、学術的根拠をもって、
大変な作業でも、時間がどれだけかかっても、一生懸命に黙々と問題解決を行うことの方が大事であろう。
この姿勢のみが、患者との信頼関係構築ではなかろうか。

ちなみに『人と人の間に、信頼や愛情を育むもの、それは大変なことをいそいそとやってあげる、まっすぐな姿勢』
これは患者との関係でなくともいえる。
私は自分のスタディーグループの歯科医達から、頻繁に症例や文章の校正などの相談を受けるが、何十年も、今まで、どんなに面倒な内容であろうが、
恩をきせることもなく、損得勘定ぬきで、私に関係ないことでも、当たり前のように、それに対して細かく助言や手助けをしてきている。
これを読んでる歯科医で、心当たりある人は多いだろう。
それゆえ、、この丸橋先生のこの話を読んだとき、仲間意識で行ってたが、この信頼関係という点では意識したことがなかった分、
私の行っていることは、おのずと彼らとの信頼関係を育んでいたものなのか、自問してしまう。
相手にとって私が、便宜的関係に過ぎないとするなら、正直、悲しい。
自分が目立つため、自分を大きく見せるための便宜的関係から、もうそろそろどう思われてもいいやって、考える輩も本当に存在する。
実際、そのような思慮の若手の歯科医がいたが、暫くの間、注意した点を静観していたが、残念なことに、全く真意を理解しようともしないため、
このような性格の人とはもう関わりを持ちたくないので、少し以前のことであるが縁を完全に切った。。

『充実や信頼、安定や愛情、生きることへの意味、それら原初の願いを、多くの現代人はどこかに置き忘れ、あるいは身体の奥深くに眠らせ、
見失ってしまっていないであろうか』という苦言に同調せざるしかない現在の社会で、
人と人のつながり、患者と医療者のつながり、について悶々としている。

ここ数日 熱にうなされ、頭がボーとしてるとついついこんなことを考えてしまう…(現在、風邪こじらしてます)

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