兄弟グループだった「キリンジ」は13年に弟が独立し、新たな6人編成のバンド「KIRINJI」となった。バンドとなってからリリースされた「11」以後のアルバムを集め聴いた。聴けば聞くほど曲が良い。バンド・メンバーがスティール・ギター、ヴァイオリン、トロンボーン、アコーディオンなど様々な楽器を持ち替えることに加え、全員が歌うことができるのでコーラス・ワークも多彩で聴くほどに味が出る。ほとんどの曲を堀込髙樹が書いているのだが、「進水式」「心晴れ晴れ」のような心を包み込む名曲がたくさんある。また、アレンジは才能豊かなコトリンゴはじめバンド全体でおこなっているらしい。それがハッとする展開もありで飽きさせない。歌詞も「ネンネコ」のように何気ない中にホロッとさせられる一言や、コトリンゴさんの歌う「fugitive」に見られる悲しさには胸がじんと来るのである。
そのコトリンゴさんだが、よく3年半もバンドに在籍したと思う。ライブのリハーサルを追ったビデオの中でリーダー堀込氏が、コトリンゴは自分達よりはるかに才能溢れる人で、目指すべき存在。そういう人がバンドの中にいてくれると張り合いができるから加入を頼んだ、というようなことを言っていた。その言葉のとおり一人でも充分な実績や存在感のあるアーティストなのに、バンドの一員として素晴らしいピアノや透明感あるウィスパーボイスのコーラス・ワークでKIRINJIの曲を盛り立てた。だが、「雲呑ガール」ではホテル行こうとの呼びかけに「イヤです!」と言わされ?たり(この部分は「EXTRA11」のライブヴァージョンではたぶん「小樽行こう→えー行きたいです」に変わっている)、前述のThe Great Journeyは堀込氏が「満室!」と叫ぶなど、愛の営みを暗に表現した楽曲と思われコトリさんの雰囲気とはまるで一致しないのだが、それにもかかわらず黙々と華麗なピアノプレイを聞かせていた(16年ライブ・ビデオ収録のKIRINJIヴァージョンではラップの一部も披露している)のがとても印象深い。だからこそ私の失敗はコトリさんのいるKIRINJIのライブを見逃したこと、そして、今年の7月にコトリさんのライブが札幌のモエレ沼公園ガラスのピラミッドで行われた時に行けなかったことである!
KIRINJIの音楽には様々なジャンルが混ざっていることも魅力のひとつだ。プログレ好きの私が日本のバンドにこれほど惹かれたのは久しぶりのこと。コトリンゴが脱退し5人編成になった新たなKIRINJIに期待する(特に、パット・メセニーが好き*という弓木嬢にはもっとギターのフレーズを聴かせて欲しい!)と同時に、コトリンゴさんの今後の活動にもエールを送りたいと思う。
*月刊Guitar Magazine 18年10月号の記事より
そのコトリンゴさんだが、よく3年半もバンドに在籍したと思う。ライブのリハーサルを追ったビデオの中でリーダー堀込氏が、コトリンゴは自分達よりはるかに才能溢れる人で、目指すべき存在。そういう人がバンドの中にいてくれると張り合いができるから加入を頼んだ、というようなことを言っていた。その言葉のとおり一人でも充分な実績や存在感のあるアーティストなのに、バンドの一員として素晴らしいピアノや透明感あるウィスパーボイスのコーラス・ワークでKIRINJIの曲を盛り立てた。だが、「雲呑ガール」ではホテル行こうとの呼びかけに「イヤです!」と言わされ?たり(この部分は「EXTRA11」のライブヴァージョンではたぶん「小樽行こう→えー行きたいです」に変わっている)、前述のThe Great Journeyは堀込氏が「満室!」と叫ぶなど、愛の営みを暗に表現した楽曲と思われコトリさんの雰囲気とはまるで一致しないのだが、それにもかかわらず黙々と華麗なピアノプレイを聞かせていた(16年ライブ・ビデオ収録のKIRINJIヴァージョンではラップの一部も披露している)のがとても印象深い。だからこそ私の失敗はコトリさんのいるKIRINJIのライブを見逃したこと、そして、今年の7月にコトリさんのライブが札幌のモエレ沼公園ガラスのピラミッドで行われた時に行けなかったことである!
KIRINJIの音楽には様々なジャンルが混ざっていることも魅力のひとつだ。プログレ好きの私が日本のバンドにこれほど惹かれたのは久しぶりのこと。コトリンゴが脱退し5人編成になった新たなKIRINJIに期待する(特に、パット・メセニーが好き*という弓木嬢にはもっとギターのフレーズを聴かせて欲しい!)と同時に、コトリンゴさんの今後の活動にもエールを送りたいと思う。
*月刊Guitar Magazine 18年10月号の記事より