ジェット・コースターのように次々と上下左右に飛ばされる小説である。次は一体どうなるのかとなかなかやめられない、「予想外の展開で一気読み必至!」と扉の紹介文にあるとおりの面白い作品であった。
主人公フィンレイは売れないサスペンス作家なのだが勘違いされて高額な報酬の仕事を依頼される。それがある人物を殺すというとんでもない仕事なのだが、それをきっかけに様々なことに巻き込まれていく展開である。だが、主人公自らが自分で自分を巻き込んでいくところもあって、ユーモラスな要素もある。このキャラクターは魅力的である。そしてベビーシッターが協力者として登場するあたりから物語は俄然面白くなる。最後はどうなるのだろうとハラハラドキドキな気分に浸ることができる。未読の方々はぜひお読み頂きたいとお勧めする。
この一冊があまりに面白かったので、続編の「サスペンス作家が殺人を邪魔するには」も買ってしまった。前作と同じ人物が多数登場するのでこれから読むのが楽しみである。