先月末に中古レコードショップの店頭ワゴンにて半額で買ったLPジェフ・ベック「ブロウ・バイ・ブロウ(ギター殺人者の凱旋)」について触れた。収録されている曲の良さ、スリリングな演奏の一方で叙情的なストリングスが加わるなど、プログレ好きの私も大いに気に入っているアルバムである。さらにリリース当時にジェフ・ベックがマックス・ミドルトン等と来日し行われた札幌公演に自分が行ったことも、このアルバムが好きな理由のひとつである。その詳細はこちらに紹介している。その時のエピソードをさらに加えると、She’s A Womanの演奏時だったか、ベックがトーキングモジュレーターを口にくわえて歌おうとした時にホースが外れてしまい、イントロのフレーズが本来より多く演奏された場面があった。なぜか得をした気分だった。
写真のとおり、オリジナル・マスターテープを使い、Quality Record Pressingsにて製造されたとのこと。ジャケットは2枚組であるためゲートフォールド型に変更されており、中にベックの写真が載っている。盤も200グラムの重量がある。肝心の音の方だが、第一印象では低音のふくよかさと左右の分離の良さを感じた。とりわけオープニングのYou Know What I MeanやスリリングなScatterbrainではCDの音圧に勝るとも劣らない迫力あるサウンドだが、アナログ特有の暖かさも感じられる。まさに最高の音質を目指した作りだ。ただ、LPでは連続して聞かれるTheloniousとFreeway Jamが3面から4面へと分断されていて、4面1曲目は3面のラストが少し被さって始まることになる。これは仕方のないことであろう。