ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

ミステリー小説の原点

2012年09月06日 | ミステリー小説
 小説を読むのは好きだ。最近は三上 延「ビブリア古書堂の事件手帖1~3」、綾辻行人「Another」、道尾秀介「光」などを読んだがどれも面白かった。いろいろやりたいことがあるので決して読書にかける時間は多くはないが、私にとっての楽しみのひとつである。
 さて、ミステリー小説についてである。私はミステリーが大好きだ。今までにかなりの数を読んだと思うが、最初に読んだのは何だっただろうか。多分、シャーロック・ホームズだったと思う。小学4年生か5年生の頃に買ってもらった子ども向け文学全集の中の1冊にそれがあった。現物はいつの間にかなくなってしまったが、何と中標津町在住の時、町図書館の古本市でそれをみつけて購入。(写真上)懐かしい!そして当時自分が何を読んだのかが再確認できた。それらは、まだらの紐、赤毛連盟、…などである。
 同時に、忘れられないのがあかね書房発行の「少年少女世界推理文学全集全20巻」である。小学校の図書室にあり、毎週のように借りて読んだ。最初に手にしたのがホイットニー「のろわれた沼の秘密」。タイトルを見るとホラーものかと思ってしまうが、決してそうではなく、ある女の子とその兄の冒険談である。休みを利用して叔母の家に遊びに来た主人公が経験する不思議な出来事。やがて兄が登場し、共にその謎を解決していくという話。アメリカという異国の世界で手に汗握る展開があり、子どもであった私の心を魅了してしまった作品だ。他のシリーズはたいがい2作品が含まれているが、この巻だけは1作品のみの収録で、長さ的にも読み応えがあった。シャーロック・ホームズも面白かったが、私は断然この作品が気に入り、推理小説というものにのめり込んでいったのだ。
 続けて何冊かを読んでいったが、この全集の中で特に好きだったのは、「赤い家の秘密(ミルン)/黄色の部屋の謎(ルルー)」「魔女の隠れ家(カー)」の2冊だ。冒険・密室・怪奇そしてフー・ダニット(犯人は誰だ)を堪能できる。この全集は結構人気があったようで、他の者に借りられている巻も多く、全てを読み切ることはできなかった。それで自分で買った巻もある。エラリー・クイーンの「エジプト十字架の秘密」、アイリッシュ「恐怖の黒いカーテン」そして前述の「のろわれた沼の秘密」。
 思い出深いというノスタルジーもあるが、今後充分楽しめる全集として全巻を揃えたいものだと思っていた。が、廃刊となっているためか今現在も人気があって、オークションに時々出品されても結構高額である。きっと私と同じ気持ちの方々が多いのだろう。それでも何冊か手に入れることができた。未読だった作品を読むと、子ども向けに書き直されてはいるが充分楽しめる優れた翻訳だと思う。その後は創元推理文庫にたくさんお世話になり、海外のいわゆる名作と呼ばれる作品をいろいろ読破することになるのだが、原点はこのあかね書房版であり、手元の各巻は私の宝物のひとつとなっている。


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