もう2週間以上前に終わったレースのことをいつまでも引っ張っているのは申し訳ない気もするけど、興味のある方はお付き合いを。
市民ランナーの目標
フルマラソンを走る多くのランナーの目標は、
(1)なんといってもまずは完走
次なる目標は、おそらく
(2)サブ4
あとはもうサブ3.5→サブ3と目標を達成する度に、次なる目標を追い求めるだろう。
わたしの目標
四捨五入すると50歳に近い年齢から走り始めたわたしの目標は当初「3時間台でフルマラソンを走る」つまりサブ4だった。
しかし初ハーフで1時間45分を切ったことから、サブ3.5を最終目標と定めた。
もちろん50歳、60歳でもサブ3なんて言うすごいランナーもいらっしゃるし、サブ3.5がクリアできたらサブ3が目標になって何の不都合もないが、サブ3といえば平均ラップが4分15秒/km。
1kmだけのタイムトライアルはしたことがないが、これまでの最速ラップが4分22秒/kmのわたしには及びもつかないタイムだ。それは途方もない彼方にしか思えない。
ホノルル・マラソンでのサブ4の難易度
ある意味バイブルにしている金哲彦さんの「3時間で走るマラソン」の中に、ホノルルマラソンの結果分析があって、サブ4は全体の約10%とあった。
しかしご存知の通りホノルルは時間制限なしの参加者にやさしい大会。初心者や、ろくに走ったこともない人が記念に出たりする。ある年のこの大会で最後にゴールしたランナーのタイムは確か15時間とか聞いた記憶がある。
つまりランナー全体を均した数字ではタイム的なレベルは低いと推測される。
それにしても上位10%しかいないというのは市民ランナーにとっては勲章といっていいタイムだろう。この辺が、まずはサブ4、「サブ4で走れたらそりゃあなかなか大したもんなんじゃないか」という根拠になりえると思う。
もう1つの里程標
さて、ついでなので書いてしまうとわたしにとっての里程標となるタイムは作家・村上春樹のタイムである。
「走ることについて語るときに僕の語ること」にはすべてではないが、いくつかのタイムが記されている。
この本を書いた時点(2006年秋)で1982年秋(村上春樹は1949年1月生まれなので33歳ということになる)から走り始めた村上春樹は23年のランニング・キャリアがあり、23回のフルマラソンを走っている。
ベテランランナーだ。自らの言によれば、彼のランナーとしてのピークは40代後半であり、それまで目標タイムは3時間30分。「3時間半を切れることもあれば、切れないこともあった」とあるので、ベストタイムは3時間20分くらいだろうか。「ちょっと失敗したなというときでも、3時間40分台では走れた」とある。
週6日、1日10km走って、ざっと260km/月というのが「まじめに走る」と言う基準だと書いているから、年齢やキャリアから見ても妥当なタイムだと思う。もっと早くても不思議ではない。
◆1983年7月(34歳)・・・アテネ~マラトン村を3時間51分で初完走(雑誌の企画なのでおよそ42kmらしい)。同年12月ホノルルを「まずまずのタイムで完走」。
◆1996年6月(47歳)・・・サロマ湖100キロウルトラマラソン完走。タイムは11時間42分。
◆2005年11月(56歳)のニューヨーク・シティ・マラソン、2006年4月(57歳)のボストン・マラソンはともに4時間オーバー(タイムは明かされていない)。
そして走ることに少々飽きた村上春樹はトライアストン(1999年から村上トライアスロンに参加しているようだ)を始めた。今や冬はマラソン、夏はトライアスロンというサイクルが定着しているとあとがきにある。
いびがわマラソンのレース結果から見たサブ4の難易度
だいぶ遠回りしたが、いよいよ、2009年いびがわマラソンの結果である。男子のエントリーは5,407名。女子は632名。全体で6,039名がエントリーしたことになる。今年のフルマラソンは6,000名でカットしている(ちなみにハーフは4,000名でカット。計1万人に対して12,000人の応募があったそうだ。つまり2,000人は応募したが参加できなかったということになる)。
エントリーの時点で女性は男性の1/9しかいないので、いびがわのフルは参加しようというだけで女性ランナーにとっては大変なハードルと言っていいだろう。
あのコースを知っているなら、さもありなん、という気がする。
そんな中、今回の結果をタイムごとに比率で表したのが下のグラフである。
完走は8割
つまり完走者は約80%(2割は途中リタイヤもしくは棄権)ということになる。今年から時間制限が30分延長されて5時間30分になったはずので、つまりは5時間半以内でこのコースを走った人はエントリーしたランナーの5人に4人である。逆の言い方をすればスタートラインに立った人の5人に1人は時間内にゴールできなかった。
他のレースと比べてどうなのかはわたしにはわからないが、5時間半という制限時間はそう厳しくないと思うので、その割にはやはり過酷なコースと言えるかもしれない。
男性1,496人、女性110人がサブ4を達成。
正直うらやましい。比率で言うと男性でサブ4は3割に満たず、女性では2割に満たない。やはり、1つの勲章といっていいだろう。
ホノルルに比べると、格段に多いのは、やはり平均的なレベルが高いあかしだと思われる。しかもコースは明らかにいびがわのほうが過酷なのだから。
国内の他のレースと比べてみたいが、残念ながらデータがない。
サブ3は男性のみの71人。これはもう市民ランナーとしては超エリートと言っていいだろう。
サブ3.5を達成したランナーは男子500名弱(487名)、女子はわずか20名しかいない。男子でも10%を切っており(9.0%)、普段の努力を称賛されるべき市民ランナーと言えるだろう。女性に至ってはわずか3%にすぎず、エリートランナーの部類に入ると思う。
というわけで、来年こそは非常に価値が高い「いびがわでのサブ4」を達成したい。
市民ランナーの目標
フルマラソンを走る多くのランナーの目標は、
(1)なんといってもまずは完走
次なる目標は、おそらく
(2)サブ4
あとはもうサブ3.5→サブ3と目標を達成する度に、次なる目標を追い求めるだろう。
わたしの目標
四捨五入すると50歳に近い年齢から走り始めたわたしの目標は当初「3時間台でフルマラソンを走る」つまりサブ4だった。
しかし初ハーフで1時間45分を切ったことから、サブ3.5を最終目標と定めた。
もちろん50歳、60歳でもサブ3なんて言うすごいランナーもいらっしゃるし、サブ3.5がクリアできたらサブ3が目標になって何の不都合もないが、サブ3といえば平均ラップが4分15秒/km。
1kmだけのタイムトライアルはしたことがないが、これまでの最速ラップが4分22秒/kmのわたしには及びもつかないタイムだ。それは途方もない彼方にしか思えない。
ホノルル・マラソンでのサブ4の難易度
ある意味バイブルにしている金哲彦さんの「3時間で走るマラソン」の中に、ホノルルマラソンの結果分析があって、サブ4は全体の約10%とあった。
しかしご存知の通りホノルルは時間制限なしの参加者にやさしい大会。初心者や、ろくに走ったこともない人が記念に出たりする。ある年のこの大会で最後にゴールしたランナーのタイムは確か15時間とか聞いた記憶がある。
つまりランナー全体を均した数字ではタイム的なレベルは低いと推測される。
それにしても上位10%しかいないというのは市民ランナーにとっては勲章といっていいタイムだろう。この辺が、まずはサブ4、「サブ4で走れたらそりゃあなかなか大したもんなんじゃないか」という根拠になりえると思う。
もう1つの里程標
さて、ついでなので書いてしまうとわたしにとっての里程標となるタイムは作家・村上春樹のタイムである。
「走ることについて語るときに僕の語ること」にはすべてではないが、いくつかのタイムが記されている。
この本を書いた時点(2006年秋)で1982年秋(村上春樹は1949年1月生まれなので33歳ということになる)から走り始めた村上春樹は23年のランニング・キャリアがあり、23回のフルマラソンを走っている。
ベテランランナーだ。自らの言によれば、彼のランナーとしてのピークは40代後半であり、それまで目標タイムは3時間30分。「3時間半を切れることもあれば、切れないこともあった」とあるので、ベストタイムは3時間20分くらいだろうか。「ちょっと失敗したなというときでも、3時間40分台では走れた」とある。
週6日、1日10km走って、ざっと260km/月というのが「まじめに走る」と言う基準だと書いているから、年齢やキャリアから見ても妥当なタイムだと思う。もっと早くても不思議ではない。
◆1983年7月(34歳)・・・アテネ~マラトン村を3時間51分で初完走(雑誌の企画なのでおよそ42kmらしい)。同年12月ホノルルを「まずまずのタイムで完走」。
◆1996年6月(47歳)・・・サロマ湖100キロウルトラマラソン完走。タイムは11時間42分。
◆2005年11月(56歳)のニューヨーク・シティ・マラソン、2006年4月(57歳)のボストン・マラソンはともに4時間オーバー(タイムは明かされていない)。
そして走ることに少々飽きた村上春樹はトライアストン(1999年から村上トライアスロンに参加しているようだ)を始めた。今や冬はマラソン、夏はトライアスロンというサイクルが定着しているとあとがきにある。
いびがわマラソンのレース結果から見たサブ4の難易度
だいぶ遠回りしたが、いよいよ、2009年いびがわマラソンの結果である。男子のエントリーは5,407名。女子は632名。全体で6,039名がエントリーしたことになる。今年のフルマラソンは6,000名でカットしている(ちなみにハーフは4,000名でカット。計1万人に対して12,000人の応募があったそうだ。つまり2,000人は応募したが参加できなかったということになる)。
エントリーの時点で女性は男性の1/9しかいないので、いびがわのフルは参加しようというだけで女性ランナーにとっては大変なハードルと言っていいだろう。
あのコースを知っているなら、さもありなん、という気がする。
そんな中、今回の結果をタイムごとに比率で表したのが下のグラフである。
完走は8割
つまり完走者は約80%(2割は途中リタイヤもしくは棄権)ということになる。今年から時間制限が30分延長されて5時間30分になったはずので、つまりは5時間半以内でこのコースを走った人はエントリーしたランナーの5人に4人である。逆の言い方をすればスタートラインに立った人の5人に1人は時間内にゴールできなかった。
他のレースと比べてどうなのかはわたしにはわからないが、5時間半という制限時間はそう厳しくないと思うので、その割にはやはり過酷なコースと言えるかもしれない。
男性1,496人、女性110人がサブ4を達成。
正直うらやましい。比率で言うと男性でサブ4は3割に満たず、女性では2割に満たない。やはり、1つの勲章といっていいだろう。
ホノルルに比べると、格段に多いのは、やはり平均的なレベルが高いあかしだと思われる。しかもコースは明らかにいびがわのほうが過酷なのだから。
国内の他のレースと比べてみたいが、残念ながらデータがない。
サブ3は男性のみの71人。これはもう市民ランナーとしては超エリートと言っていいだろう。
サブ3.5を達成したランナーは男子500名弱(487名)、女子はわずか20名しかいない。男子でも10%を切っており(9.0%)、普段の努力を称賛されるべき市民ランナーと言えるだろう。女性に至ってはわずか3%にすぎず、エリートランナーの部類に入ると思う。
というわけで、来年こそは非常に価値が高い「いびがわでのサブ4」を達成したい。