結果から言うとやっぱり悔しいけど、選手はそれぞれ頑張ったと思う。今の実力は出せたんじゃないだろうか。
木崎のラストスパートには感動した
まず女子。2位に木崎良子、4位に早川英里。優勝はケニア出身のキルワ(バーレーン)。2時間25分37秒の優勝タイムは歴代のタイムと比較するとなかなかいいタイムらしい。木崎は遅れること13秒。ゴール直後から涙があふれてしばらく泣きどおしだった。
キルワはどこで出したか知らないがたしか3年前に21分台で走っているそうなので、これは世界でもトップレベルに近い。実力通りの結果ではあった。
わたしは木崎の歯を食いしばって走る姿に感動して不覚にも涙した。トラックに入っても必死にキルワを追いかけていた。世界選手権もそうだったけど、今回は前がすぐそこに見えただけに悔しさもひとしおだし頑張りもハンパじゃなかったと思う。
早川英里も序盤から遅れてしまったけれど、最後まで粘って、3位の選手がゴール位置を間違えるアクシデントがあたっとはいえ、あわや銅メダルまで盛り返したのは価値があった。ただ、実力的には木崎・キルワとはだいぶ差がある。
初の日本代表だし、まずは合格点。次のレースに期待したい(日本代表として世界と戦うにはかなりのレベルアップが必要になるだろうけど)。
松村の力は本物
男子はもちろん川内優輝に注目していた。彼が走る姿を、TVにせよ見られるのを楽しみに待つ日本国民はかなりの数じゃないかと思う。こんなにワクワクさせるランナーも珍しい。途中がどうだろうが最後まで必ず熱くさせてくれる。
松村康平については、初代表でもあり、東京での8分そこそこのタイムが果たしてフロックでないのか--北海道を走った酒井も、同じ東京で9分そこそこのタイムを出して代表合宿に呼ばれたが結果は散々だった--見極めようと思っていた向きも多いだろう。
あの東京のレースでしか知らないので、わたしも半信半疑だったがいい意味で裏切ってくれた。
松村は余裕を持った走りで終始先頭を守った。最後は川内、マハブーブ(バーレーン)とトラックまでもつれこむ中、川内が明らかに遅れたのに対してマハブーブをしっかり追ったが、いかんせんスパートのスピードに差があった。相手はアジアとはいえ5000m、1万mのメダリスト経験者。トラック勝負となれば勝ち目が薄いことはわかってはいたことだった。
「1秒差でも負けは負けですから」と瀬古が言っていたけど、まさしくそういうレースだった。そうなのだ、レースの行方は、結局のところタイムの問題は二の次なのだ。とりわけペースメーカーのつかないオリンピックや世界選手権、このアジア大会などでは。
優勝タイムは2時間12分38秒。松村は1秒遅れ、川内は4秒遅れだが勝ち目はほぼなかった。
川内は30㎞過ぎで離されて以降何度か集団から離されながら、いつも通りの驚異的な粘りで追いつき、最後はトラックでの優勝争いに加わった。本当に立派だし見ていて力が入ったけど、かろうじて参加できたにとどまったことは残念だ。給水所で接触のトラブルがあったようだが、ほかにも韓国選手が転んで松村が巻き込まれそうだったけど、まあいろんなことが起こるのでそれもまた実力のうちである。もちろん川内は言い訳などにしてはいないが。
風貌や雰囲気、レース展開なども松村は中本に似ている。でも中本よりはスピードもパワーもありそうだ。そこを磨いてなんとか世界の表彰台をめざしてほしいし。
川内もレースの前後はいつになくリラックスした感じがあった。松村という同級生が相棒だったからかもしれない。こういう選手がもっと出てきてほしい。
元祖・山の神 今井正人も頑張ってるけど、2代目・柏原竜二にそろそろ出てきてほしいなあ。
考え直してくれ、川内
マハブーブは長距離種目のスペシャリストであるとはいえ初マラソン。アフリカ出身とはいえ世界レベルでは名前も知られていない。やっぱりアジアレベルでこの結果は残念だ。今の力では世界とは戦えない。
だから、川内の言ってることはもっともなのであって、世界陸上の選考レースには出場しないで、その先を目指したいというのは悪くはないと思う。
ただ、川内のやってきた準備の仕方を考えれば、いわば「実践主義」なわけで、練習の最高・最善の場こそ世界陸上のような大会だとも言える。しかも、川内の力は現在の日本ではトップクラスに間違いないのだ。だったら、やっぱり選考レースも戦ってレベルアップを図り、本番でも--優勝は難しいだろうけど--入賞、あわよくば表彰台をめざしたって誰も文句はない。
といろいろ言ってみても、結局、川内の走るレースを1つでも多く見たいということにすぎないのかもしれない。
考え直してくれ!
松村は本物の日本マラソン界のホープかもしれない。2レース続けてこういう結果をだした以上もうフロックではない。日本、アジアのレベルではトップクラスの選手に違いない。このところそういう選手は何人もいない。中本健太郎、川内くらいだろう。藤原新の名も挙げたいが、怪我などもありここ最近の成績はさびしい限りだ。
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この大会の直前にはベルリンマラソンで世界記録が更新されて大きな話題になった。2時間2分台に突入している。デニス・キメット(ケニア)の2時間2分57秒はほぼ2'55/㎞のイーブンペースに相当する。
木崎のラストスパートには感動した
まず女子。2位に木崎良子、4位に早川英里。優勝はケニア出身のキルワ(バーレーン)。2時間25分37秒の優勝タイムは歴代のタイムと比較するとなかなかいいタイムらしい。木崎は遅れること13秒。ゴール直後から涙があふれてしばらく泣きどおしだった。
キルワはどこで出したか知らないがたしか3年前に21分台で走っているそうなので、これは世界でもトップレベルに近い。実力通りの結果ではあった。
わたしは木崎の歯を食いしばって走る姿に感動して不覚にも涙した。トラックに入っても必死にキルワを追いかけていた。世界選手権もそうだったけど、今回は前がすぐそこに見えただけに悔しさもひとしおだし頑張りもハンパじゃなかったと思う。
早川英里も序盤から遅れてしまったけれど、最後まで粘って、3位の選手がゴール位置を間違えるアクシデントがあたっとはいえ、あわや銅メダルまで盛り返したのは価値があった。ただ、実力的には木崎・キルワとはだいぶ差がある。
初の日本代表だし、まずは合格点。次のレースに期待したい(日本代表として世界と戦うにはかなりのレベルアップが必要になるだろうけど)。
松村の力は本物
男子はもちろん川内優輝に注目していた。彼が走る姿を、TVにせよ見られるのを楽しみに待つ日本国民はかなりの数じゃないかと思う。こんなにワクワクさせるランナーも珍しい。途中がどうだろうが最後まで必ず熱くさせてくれる。
松村康平については、初代表でもあり、東京での8分そこそこのタイムが果たしてフロックでないのか--北海道を走った酒井も、同じ東京で9分そこそこのタイムを出して代表合宿に呼ばれたが結果は散々だった--見極めようと思っていた向きも多いだろう。
あの東京のレースでしか知らないので、わたしも半信半疑だったがいい意味で裏切ってくれた。
松村は余裕を持った走りで終始先頭を守った。最後は川内、マハブーブ(バーレーン)とトラックまでもつれこむ中、川内が明らかに遅れたのに対してマハブーブをしっかり追ったが、いかんせんスパートのスピードに差があった。相手はアジアとはいえ5000m、1万mのメダリスト経験者。トラック勝負となれば勝ち目が薄いことはわかってはいたことだった。
「1秒差でも負けは負けですから」と瀬古が言っていたけど、まさしくそういうレースだった。そうなのだ、レースの行方は、結局のところタイムの問題は二の次なのだ。とりわけペースメーカーのつかないオリンピックや世界選手権、このアジア大会などでは。
優勝タイムは2時間12分38秒。松村は1秒遅れ、川内は4秒遅れだが勝ち目はほぼなかった。
川内は30㎞過ぎで離されて以降何度か集団から離されながら、いつも通りの驚異的な粘りで追いつき、最後はトラックでの優勝争いに加わった。本当に立派だし見ていて力が入ったけど、かろうじて参加できたにとどまったことは残念だ。給水所で接触のトラブルがあったようだが、ほかにも韓国選手が転んで松村が巻き込まれそうだったけど、まあいろんなことが起こるのでそれもまた実力のうちである。もちろん川内は言い訳などにしてはいないが。
風貌や雰囲気、レース展開なども松村は中本に似ている。でも中本よりはスピードもパワーもありそうだ。そこを磨いてなんとか世界の表彰台をめざしてほしいし。
川内もレースの前後はいつになくリラックスした感じがあった。松村という同級生が相棒だったからかもしれない。こういう選手がもっと出てきてほしい。
元祖・山の神 今井正人も頑張ってるけど、2代目・柏原竜二にそろそろ出てきてほしいなあ。
考え直してくれ、川内
マハブーブは長距離種目のスペシャリストであるとはいえ初マラソン。アフリカ出身とはいえ世界レベルでは名前も知られていない。やっぱりアジアレベルでこの結果は残念だ。今の力では世界とは戦えない。
だから、川内の言ってることはもっともなのであって、世界陸上の選考レースには出場しないで、その先を目指したいというのは悪くはないと思う。
ただ、川内のやってきた準備の仕方を考えれば、いわば「実践主義」なわけで、練習の最高・最善の場こそ世界陸上のような大会だとも言える。しかも、川内の力は現在の日本ではトップクラスに間違いないのだ。だったら、やっぱり選考レースも戦ってレベルアップを図り、本番でも--優勝は難しいだろうけど--入賞、あわよくば表彰台をめざしたって誰も文句はない。
といろいろ言ってみても、結局、川内の走るレースを1つでも多く見たいということにすぎないのかもしれない。
考え直してくれ!
松村は本物の日本マラソン界のホープかもしれない。2レース続けてこういう結果をだした以上もうフロックではない。日本、アジアのレベルではトップクラスの選手に違いない。このところそういう選手は何人もいない。中本健太郎、川内くらいだろう。藤原新の名も挙げたいが、怪我などもありここ最近の成績はさびしい限りだ。
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この大会の直前にはベルリンマラソンで世界記録が更新されて大きな話題になった。2時間2分台に突入している。デニス・キメット(ケニア)の2時間2分57秒はほぼ2'55/㎞のイーブンペースに相当する。