香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

しずかの朝

2011-06-20 21:22:19 | 本のこと
小澤征良さんの『しずかの朝』

 しずかは25歳。家庭のある恋人と別れ、勤めていた会社は倒産。
 人生に迷う彼女は、不思議な縁に導かれ、亡命ロシア貴族の未亡
 人ターニャが住む横浜の洋館で暮らすことになる。一方、恵まれ
 た結婚をしたはずのしずかの姉、恭子もまた、問題を抱えていた。
 心配したしずかは姉を洋館に呼び寄せるが──。優しい人々との
 出会いによって生きる道を見いだす女性を描く、前向きな再生の
 物語。 


こんなに、好きになる作品だったことに驚いてしまう
瑞々しく、繊細で、やさしく、さわやか
物語の中に、何度も戻り何度も読み返し、
が出そうで、心があつくなる

 人生は一回しかないからね。だから、何でもいいけど、
 ちょっとでも興味があったらそれは大切にしたほうがいいし、
 すぐに実現でいなくてもあきらめる必要もない。
 そう、僕は信じたいんです。


 何かが気になっているのにそれを無視しちゃったら、
 永久に何もみつかりませんからね


 何が大事か解っている人には、迷いがありません。
 ゆるぎない魂に、人は惹きつけられます。
 ほんとうの強さは終わりのない優しさです。


 出会ったからこそ今の自分があることですとか、
 愛すると孤独になることもあるけれど、
 愛さなかったら孤独にすらなれないこと


やさしさが、読み終わった今、わたしを包み込んでいる気持ちがする
いなくなってしまった人、そばにいてくれる人、
思いを寄せる人、みんな出会えてよかったと思う

よかった・・・