香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

真夜中の手紙

2011-12-26 21:31:06 | 本のこと
宮本輝さんの『真夜中の手紙』

一日の仕事を終えた午前2時、宮本輝から、手紙が届く――。
 今年の三月から十月まで、著者公式サイトの登録メンバーに
 宛てて綴られた話を一挙公開!
 ビル・エヴァンスや志ん生の名演から、阪神大震災の日々、
 自作について、スズメバチとの奇跡的バトル、そして井上靖の
 ウィスキー秘話、水上勉とイヌを探し廻った夏の話など先輩
 文士との交流譚まで、とっておきの話題が満載の一冊。


今ではロム専門ですが、一応わたしもBTCメンバーなので
この本に収録されている文章は全て読んでいたのですが
こうして1冊の本になって改めて読めたのはとても幸せだと感じます
あの大震災があって、日本中が心を痛めていたとき
少なからずわたしもちょっとめいっていたのかもしれませんが
輝先生のユーモアやちょっとした言葉に慰められていたのかもしれません
読みながらたくさんの付箋を貼って、読み直したりしました
わたしも好きなビル・エヴァンスが「長い時間をかけての自殺」という言葉には
少なからずショックを受け、CDを聞き直したり・・・
「春は少しずつやってくるのではありません。ある日、いっせいに春になるのです。
世の中も同じです。少しずつ変わっていくのではありません。
あるとき、怒濤のように変化するのです」という言葉に、涙が止まりません
他にもたくさんの宝物がつまっている本だと思います
宮本輝さんは、もうエッセイは書かないとおっしゃっていたので
自身のHPで、メンバーに当てた、裸の言葉ともいえる文章を
こういう形で手に取ることができたことは、極上の幸運のように思います

宮本輝さん関連でもうひとつ
今日付けの朝日新聞広告特集「リーダーたちの本棚」で
ワタミ株式会社の渡辺美樹さんがお好きな本を紹介していました
おすすめの5冊は
 司馬遼太郎著 「坂の上の雲」全8巻
 天童荒太著  「悼む人」
 高杉良著   「虚像」
 宮本輝著   「流転の海」最新第6部
 夏目漱石著  「我が輩は猫である」
その中で、一部を勝手に紹介させてもらいます
  現代作家では、宮本輝さんの大ファンで、「流転の海」は、
 30年近く前の第1部刊行時から愛読しています。主人公の熊
 吾は、破天荒な性格で欠点がありつつも、物事の本質を見抜
 き、生き方に一本筋が通っている。手のかかる一人息子への
 深い愛情にも胸打たれますーー中略ーー熊吾になついていた
 はずの男が人前で段ども熊吾に叱られるうちに自尊心を傷つ
 けられ、「わしの子供の前でも、わしをアホ扱いしなさった。
 けど、一寸の虫にも五分の魂でなぁし」と反撃する場面です。
 相手に非があっても、百%否定してやり込めてはいけないな
 と、部下への接し方を思い返して反省しました。そんな教訓
 を含め、読みごたえのある本です。

渡辺美樹さんのテレビでのコメントやお話は
とても好感の持てるもので好きな方だったのですが、
同じ作家の方の小説に、似たような感覚を持っているということで
ますます好きになってしまいました

明日、明後日と出勤すると1週間のお正月休み
今日、もう必要のないカタログやサンプルを捨てて
片付けは終わっているので、大掃除はさっさと終わりそう
自宅でも仕事場でも、やらなくてはならないことのメドがついて
ほっとして年末を過ごせそうだよ~ん

ブロードアレイ・ミュージアム

2011-12-26 04:48:56 | 本のこと
小路幸也さんの『ブロードアレイ・ミュージアム』

 1920年代のニューヨーク。裏通りの小さな博物館
 <BAM>(ブロードアレイ・ミュージアム)の収蔵品は一風変
 わったものばかり。そこでは、物に触れると未来を
 予知できる不思議な少女フェイとワケあり個性派揃い
 のキュレーターが、悲劇を防ぐべく日夜活躍している
 のだ。ジャズエイジの世界へ貴方を誘います。
 文庫版ボーナストラック「ドラキュラのマント」収録


最初から登場人物の名前が次々と出てきて、取っ付きにくい感じ
あきらめて読み始めると、いつもの小路さんらしく軽やかな流れで
小説というより、昔の映画を観ているような気持ちで読み進めました
1章ごとの話の流れが軽快
章が進むにつれて少しづつ分かってくる、それぞれの謎
そして、決して暗くならず、思わずホッと笑顔するような小説です

クリスマスを含めての3連休
天気予報は大荒れだったのだけど、札幌は比較的良いお天気続き
大切な人と過ごす時間はあっという間
大掃除と年賀状は全て終わったという快挙
読みたかった単行本を思い切って4冊、自分へのプレゼントとしました

昨日はなんだか疲れちゃって、9時半に寝入ってしまって
2時には目が覚めてしまった
お弁当作って、スマートノート書いて、今こうしてブログ書いて
眠たくなったら少し寝て、会社行こう
窓の外は真っ白 吹雪