香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

さようなら、オレンジ

2014-01-24 21:49:57 | 本のこと
岩城けいさんの
 『さようなら、オレンジ』

 オーストラリアの田舎町に流れてきたアフリカ難民サリマは、
 夫に逃げられ、精肉作業場で働きつつ二人の息子を育てて
 いる。母語の読み書きすらままならない彼女は、職業訓練
 学校で英語を学びはじめる。そこには、自分の夢をなかば
 あきらめ夫について渡豪した日本人女性「ハリネズミ」と
 の出会いが待っていた。第29回太宰治賞受賞作。


先日、発表になった第150回芥川賞で
審査員を務める作家の宮本輝さんが
ご自身のHPで、この本を絶賛されていました
惜しくも芥川賞の受賞にはならなかったのですが
とても興味を持ったので読んでみました

読み始めは、情景がつかめなく戸惑いながらも
美しく読みやすい文章に引っ張られて
読み進めていくうちに、少しづつ
色々とわかっていき、最後はそうだったのかと・・・
サリマとハリネズミ、相反するふたりの女性の
人生に対する真摯な姿勢に、胸を打たれます
静かに淡々と胸に染み入ってきました
そして、生きること、学んで行くことって
必ずなにかを与えてくれるのではないかと
希望を持たせてくれました

芥川賞は、小山田浩子さんの「穴」でしたね
芥川賞・直木賞の選考前後に配信される
ラジカントロプス2.0 文学賞メッタ斬り
豊崎由美さんが話すあらすじを聞いているので
こちらも読むのが楽しみです
小山田浩子さんの「工場」も読んでみたいな

直木賞は、姫野カオルコさんと朝井まかてさんで
お二人の小説は読んだことがないのですが
文学賞メッタ斬りの結果編に
姫野カオルコさんがゲストでいらして
お話がすっごく面白かったのです
姫野さんは、安住紳一郎の日曜天国のヘビーリスナーでもあり
Podcastでも登場したことがある興味深い方なんだけど
わたしの本能が、多分、好みと違う小説だよと言うのです
しばらく、本能に従う・・・かな

仕事帰り、琴似栄町通りを通ってきたら
アイスキャンドルをたくさん見ました

今日の帰りは+1℃だったけど
ずっとマイナス気温が続いているので
こういう暖かい色の灯りはホッとします