香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

迷宮

2015-04-16 22:26:18 | 本のこと
中村文則さんの
『迷宮』



一家惨殺。現場に残された無数の折鶴。
美しき被害者……。
善悪が混濁する衝撃の長編。


胎児のように手足を丸め横たわる全裸の女。
周囲には赤、白、黄、色鮮やかな無数の折鶴が螺旋を描く――。
都内で発生した一家惨殺事件。現場は密室。
唯一生き残った少女は、睡眠薬で昏睡状態だった。
事件は迷宮入りし「折鶴事件」と呼ばれるようになる。
時を経て成長した遺児が深層を口にするとき、
深く沈められていたはずの狂気が人を闇に引き摺り込む。
善悪が混濁する衝撃の長編。


少しずつ、確かに、狂気の世界へと向かっているよう
すぐに中村ワールドに引きずり込まれる
決して、気持ちの良い小説ではないけど
悪は誰の中にもあるから、読んでしまうのかな

自分の人生と向き合う時間を少しでも減らさなければ、
耐えられそうもない。自分の人生を、
そうやってやり過ごさないといけない。

まともに生きる必要があるのだろうか?
一度しかない人生を、常に健全に生きろと?


そして、最後は想像もしない終わり方
中村文則さんご自身のあとがきの
「人にあまり言えないことの一つや二つ
内面に抱えてるのが人間だと思う。
無理に明るく生きる必要はないし、
明るさの強制は恐ろしい。」の言葉が
この小説のひとつの真実なんだなと思いました
中村さんの小説の中でいちばん好きな
去年の冬、きみと別れ
この「迷宮」を経なければ書けなかっただろうということ
こういう本は、ずっと読んではいられないけど
たまに読みたくなります

今朝は、仕事で朝からすすきの駅を利用



1時間半ほど外に立っていたので
体が芯から冷えてしまった
新築予定の現場は、立派な庭があって
大きな樹々の下にはひっそりと花が咲いていました


クロッカス


グローリーオブザスノー


ヒマラヤユキノシタ


さて?