香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

月下上海

2015-08-04 06:15:18 | 本のこと
山口恵似子さんの
『月下上海』



昭和17年、財閥令嬢にして人気画家の多江子は、
中日文化協会から上海に招かれた。
ところが協会潜入中だった憲兵の槇に、
政府転覆を企んでいる中国人実業家・夏に
接近するよう強要される。
断れば、多江子が絡んだスキャンダルの
真相を公表するという。
謀略に巻き込まれた多江子の運命は…。
松本清張賞受賞。


多江子という人の聡明さと強さに圧倒
第2次世界大戦中の上海とはこういう場所だったのか
その時代の日本人と中国人
そして、富裕層との格差が痛いほどで
過酷な多江子の運命に、すっかりおじけずき
多江子の強さと機敏に打ちのめされる
とても力強く、オシャレで、女ごころが切ない
素敵な小説でした

人はどうにもならない運命がある
周りが何を言っても、
本人自身が引き返そうと思っても、
一度運命が動き始めたら、
もう、どうにもならない…。




昨日、仕事で出かけた帰りに
珈琲でも飲みましょうということになり
久しぶりに倫敦館に行きました
専門学校の学生だった時に来た以来…だと思う
アイスカフェラテは珈琲が瓶に入って出て来ました
なんとなく懐かしい気持ち