香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

田園発、港行き自転車

2015-04-12 19:04:25 | 本のこと
宮本輝さんの
『田園発
 港行き自転車』




絵本作家として活躍する賀川真帆。
真帆の父は15年前、
「出張で九州に行く」と言い置いたまま、
富山で病死を遂げていた。
父はなぜ家族に内緒で、
何のゆかりもないはずの富山へ向かったのか。
長年のわだかまりを胸に、
真帆は富山へ足を向ける。




東京の暮らしに疲れ、仕事を辞めて、
故郷の富山に帰ってきた脇田千春。
実家でふさぎ込んでいたが、
親戚の中学生・夏目祐樹と触れ合ううち、
自分らしさを取り戻していく。
父のいない子として生まれた祐樹は、
不思議な懐の深さを持つ青年へと成長していて。


木曜日には読み終わっていたのですが
余韻にひたり、色々と思い出していました
心が震えて、揺さぶられ、涙が何度も出そうになった
人には必ず苦しいこと、つらいことが訪れる
だからこそ、幸せになると信じていくのだと
なんどもなんども励まされていたように思う

ネタバレになりそうなので、
読みたくない人はここからは読まないでね
祐樹が千春に言った
「自分が好きな人の思い出を話しているときに、
ああ、あの人、死んだよって言われるのって
いややろう?悲しいかろう?」という言葉に
なんて、やさしく、暖かいんだろうと涙が止まらなかった
人は、大切に愛されて育つことがとても大切なことなんだ
大切なこと、人の気持ちを想像することを
間違えないで生きていきたい
間違えても、失敗しても、
それをちゃんとわかってやり直せばいいんだなと思う

人にやさしく、あたたかい素敵な小説です
多くの人に読んでもらって、話をしたいなと思いました

尋ね人

2015-04-05 17:52:57 | 本のこと
谷村志穂さんの
『尋ね人』



五十年前に突然姿を消した恋人を探してほしい。
末期ガンの母・美月からそう懇願された。
将来を誓いあった東北大生だったという。
東京で恋に破れ、
故郷函館でひっそり暮らしていた李恵は母の願いに応え、
男の行方を捜し始める。
史上最大級の海難事故・洞爺丸遭難が、
人びとの運命に打ち込んだ楔(くさび)とは。
現代と過去、母娘の恋が交錯する。
『海猫』『余命』を越えた、恋愛小説の最高峰。


新聞の北海道欄で紹介されていたのです
函館が舞台の恋愛小説というよりちょっとミステリーぽい
そんな風に思って、小樽の本屋で買ってきました

恋人も仕事も失って故郷に戻ってきた李恵と
末期ガンとなり、それでも普通に生活をしようとする母・美月の
やりとりや、お互いを思い合う気持ちに胸がくるしくなる
洞爺丸遭難事故が生々しく蘇り、関わり
母の恋と自分の恋、感情のやりとりがやるせない感じ
函館の街の美しさと閉塞感が手に取るよう
夢中になってページをめくっていました



昨日は皆既月食がきれいに見えた札幌でしたが
今日は、朝からすごい風
いまはもう雨が降っています
今週は寒くなり、雪予報の日も…

今日は北海道マラソンのエントリーですね
えっと、、、、完走は難しいと思うけど、
何キロまで走れるのか挑戦してみようかなと、
気持ちが変化しております
この週末、走れなかったのに
練習もしなかったくせになぁ

仏果を得ず

2015-04-03 21:19:19 | 本のこと
三浦しをんさんの
『仏果を得ず』



高校の修学旅行で人形浄瑠璃・文楽を観劇した健は
義太夫を語る大夫のエネルギーに圧倒されその虜になる。
以来、義太夫を極めるため、
傍かららバカに見えるほどの情熱を傾ける中、
ある女性に恋をする。
芸か恋か。悩む健は、人を愛することで
義太夫の肝をつかんでいく---。
若手太夫の成長を描く青春小説の傑作。


三浦しをんさんの、こういう小説
お仕事のこと、スポーツのこと、
一生懸命打ち込む姿をかく小説は
本当に面白く、胸を打ち、夢中になります
人形浄瑠璃は、見たこともなく
仕組みも何もわからずに読んだのですが
自然な形でわかっていき、
浄瑠璃のお話もいつの間にか理解し夢中になっている
ああ、面白かった



北大の中は、まだ緑は見えないけれど
やっと春っぽい風景になってきたなと思っていたら
今日は、すごい風と雨と寒さ
通勤路のお気に入りの庭(知らない方のお家の庭ですが)の
かわいい福寿草も凍えているんじゃないかしらん



今年の札幌の桜は
例年より早く、GW前半に満開予想
これから一気に春が来るんだよね