「こりゃ、ダメかもわからんね」
とは、日本航空123便墜落事故の際、ボイスレコーダーに残された機長の言葉だが、それと同じようなことを呟いていた私。
秋の日差しの中に佇むボンバっている私の頭が鏡に映っていたんである。
ブローに取りかかろうとしたが、手に負えないぐらいうねうねチリチリとしていて、私はため息を吐きながらヘアアイロンのスイッチをオフにした。
気づいたら、美容院の予約をしていた。
本当は実家に帰ろうとしていたのに。
でも、つくづく髪に嫌気がさし、我慢が限界に達したのだから仕方がない。予定を変更した。
午後3時。
池袋の美容室に入店。
今日は縮毛矯正をするき満々だったので、長期戦に備えるべく林真理子先生の新刊小説「綺麗な生活」を持って席に着いた。私と同じ30歳の港子(みなこ)が主人公。セレブなのでイマイチ感情移入に戸惑ったが、読むにつれて面白味が増してきた。恬淡なところが私に似てる!
さて、髪。
今回もマイミクであるセッキーさんのお世話になった。
セッキーさんは手の施しようもないような私の髪も嫌がらず、ちゃきちゃきと仕事を進めてくれた。
思えば、今年の春から手入れをしていない私の髪。
例年は8月頃に毛量調整をするんだが、なんだか忘れていた。夏、何やっていたんだっけ?
セッキーさんは先週のセットでも華麗な技術で私を感動させた。
彼のカット技術も神技である。
学生時代は色々な美容室をジプシーしていた私だが、すかれまくってスカスカにされたり、短くされすぎたり、癖を理解してもらえなかったり、かなり散々な目に遭遇した。
セッキーさんはそこんところをよく理解してくれて、適度な重みのあるロングヘアを作り上げてくれる。安心して任せられる。
もしも彼が遠く離れた故郷で開店することになったら、私は新幹線に乗ってでも彼のところに通うだろう。
私のかけている縮毛矯正は「Mr.ハビット」というものである。
ハビットの存在を知ったずっと前からかけたくて、就職して自分で稼ぎ始めた褒美として初めてかけたのが2000年の夏。
それから年に2回という頻度でハビットをしている。
もう8年になる。
1液→ブロー→2液→トリートメント→散髪。
これが全体の流れである。
伸び放題の私の髪は不揃いで、全体を揃えるために5センチほど切った。
セッキーさんに見送られて退店。
7:45。
およそ5時間に渡る長き戦いが終わった。
エレベーターのロビーには灰皿が誂えてある。ここで吸うハビット後の一服は、仕事後の一服に匹敵するぐらい美味しい。
プッハ~と、鼻から煙を出し終えた後、さらさらした髪を靡かせて駅方面へと歩く。
駅前のクリスマスイルミネーションが綺麗だ。
たまにはこんな贅沢をしても罰は当たるまい。
美容室に行くということは、勿論、髪を整えることが目的なのだろう。
しかし、それ以外にももっと何かがあるんだと思う。
まるで女王様のように扱われることによって、女性としての部分が開花していくんではなかろうか。
普段、上司に仕えている女工哀史さながらの私。
「あの子、気が小さいですねー」
と社長に陰で囁かれていようが、ひたすら彼に尽くしている(つもり)。
そんな私が、女王様のように扱われ、髪を整えてもらう。
これが快感でなくて何だろう。
とは、日本航空123便墜落事故の際、ボイスレコーダーに残された機長の言葉だが、それと同じようなことを呟いていた私。
秋の日差しの中に佇むボンバっている私の頭が鏡に映っていたんである。
ブローに取りかかろうとしたが、手に負えないぐらいうねうねチリチリとしていて、私はため息を吐きながらヘアアイロンのスイッチをオフにした。
気づいたら、美容院の予約をしていた。
本当は実家に帰ろうとしていたのに。
でも、つくづく髪に嫌気がさし、我慢が限界に達したのだから仕方がない。予定を変更した。
午後3時。
池袋の美容室に入店。
今日は縮毛矯正をするき満々だったので、長期戦に備えるべく林真理子先生の新刊小説「綺麗な生活」を持って席に着いた。私と同じ30歳の港子(みなこ)が主人公。セレブなのでイマイチ感情移入に戸惑ったが、読むにつれて面白味が増してきた。恬淡なところが私に似てる!
さて、髪。
今回もマイミクであるセッキーさんのお世話になった。
セッキーさんは手の施しようもないような私の髪も嫌がらず、ちゃきちゃきと仕事を進めてくれた。
思えば、今年の春から手入れをしていない私の髪。
例年は8月頃に毛量調整をするんだが、なんだか忘れていた。夏、何やっていたんだっけ?
セッキーさんは先週のセットでも華麗な技術で私を感動させた。
彼のカット技術も神技である。
学生時代は色々な美容室をジプシーしていた私だが、すかれまくってスカスカにされたり、短くされすぎたり、癖を理解してもらえなかったり、かなり散々な目に遭遇した。
セッキーさんはそこんところをよく理解してくれて、適度な重みのあるロングヘアを作り上げてくれる。安心して任せられる。
もしも彼が遠く離れた故郷で開店することになったら、私は新幹線に乗ってでも彼のところに通うだろう。
私のかけている縮毛矯正は「Mr.ハビット」というものである。
ハビットの存在を知ったずっと前からかけたくて、就職して自分で稼ぎ始めた褒美として初めてかけたのが2000年の夏。
それから年に2回という頻度でハビットをしている。
もう8年になる。
1液→ブロー→2液→トリートメント→散髪。
これが全体の流れである。
伸び放題の私の髪は不揃いで、全体を揃えるために5センチほど切った。
セッキーさんに見送られて退店。
7:45。
およそ5時間に渡る長き戦いが終わった。
エレベーターのロビーには灰皿が誂えてある。ここで吸うハビット後の一服は、仕事後の一服に匹敵するぐらい美味しい。
プッハ~と、鼻から煙を出し終えた後、さらさらした髪を靡かせて駅方面へと歩く。
駅前のクリスマスイルミネーションが綺麗だ。
たまにはこんな贅沢をしても罰は当たるまい。
美容室に行くということは、勿論、髪を整えることが目的なのだろう。
しかし、それ以外にももっと何かがあるんだと思う。
まるで女王様のように扱われることによって、女性としての部分が開花していくんではなかろうか。
普段、上司に仕えている女工哀史さながらの私。
「あの子、気が小さいですねー」
と社長に陰で囁かれていようが、ひたすら彼に尽くしている(つもり)。
そんな私が、女王様のように扱われ、髪を整えてもらう。
これが快感でなくて何だろう。