心療内科デー。
1分でも遅れると、心療内科が入っているビルのエレベーターの電源はオフになってしまう。けっこう世知辛い仕組みなのである。
定時になった瞬間に会社を出なければならない。
今日みたく出際にやらなくてはいけないことが勃発するとパニックになってしまう。
病院に着く頃は、心身ともに疲れてしまっている。
マイスリーは、在庫があるソラナックスで代用できないこともないが、パキシルだけは切らすと怖い。
シャンビリが出てしまう。
パキシルの断薬症状シャンビリの不快感を味わうのならば、私は一生パキシルの世話になりたい。
恋の奴隷ではなく、薬の奴隷である。それはそれで本望だ。
パキシルを増量してから、私は明らかに変わった。
どーでもいいことを割りきれるようになった。
不必要な感情を酷使せず、楽に生きられる。
嗚呼、今、セロトニンが上手く伝達しているわ!って実感できるんである。
前みたいにウジウジと考える自分に戻るのが怖い。
催奇形や自殺願望の確率が上昇すると警告を出されている薬だが、前者は出産しないと決めている私には関係ないし、後者はむしろ飲む前よりも低下したという実感がある。
だから私はパキシルを求め、会社帰りに走るんである。
主治医クマ医師に、マイスリーにソラナックスを加えて、やっと寝付いている状態だと報告。
夜にちゃんと寝ないと、昼間が眠くて眠くて…。
「好きな芸能人が逮捕されてしまいまして。辛くて悲しくて眠れません」
「…小室さん?」
意外なことに、クマ医師は小室さんの存在を知っていた。
今までクマ医師からいただいたアドバイスをどう反芻しても、小室さんが逮捕されてしまってからの落ち込みようや無気力に対処できる方法(考え方)は見当たらなかった。
会社内や家庭内でのイザコザについては、クマ医師のアドバイスを応用して乗り越えてこられたのに。
「あなたにとって、小室さんはどんな存在ですか?」
「全てです」
と答えるのが精一杯であった。
そう。
小室哲哉は私の全てであった。
人生の半分、この15年間は、彼氏ができても、1番好きなのは小室さんだった。
これからもそうだと思う。
「小室さんは才能のある方ですので、きっと大丈夫ですよ」
と、クマ医師。
…あなた、もしかして、FANKS?
なかなか理解されないこの気持ち。
気を抜くと泣きそうだった一週間。
心が少し軽くなった。
睡眠時は、マイスリーとソラナックスで様子を見ましょうとのこと。