世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

夏旅・プロローグ

2009年08月13日 23時50分46秒 | Weblog
東京駅発7時47分発のぞみに乗り、まずは京都へ!
年に一度の一大イベントの開始である。
この5日間の為に私は生きている。他の360日は助走的価値しかない。

駅弁を買って喫煙席窓側に鎮座。

鉄っちゃん吉熊、大コーフン。
落ち着いてくれ。

10時08分、京都駅着。それほど暑くはない。やはり今年は冷夏なのだろうか。
荷物をロッカーに預け、三条にある変身屋さんへGO!
今回の旅のメインイベント・十二単着用を実践。
化粧の行程は普段と変わらず、ベース→ポイントメイクとなる。
若い女子が丹念に白粉を塗ってくれた。化粧を施してくれていた間は寡黙だったのに、着付けの段階になったらよく喋る女子だった。彼女は愛知出身とのことで、「世界の山ちゃん」などについて熱く語った。

十二単は、思ったよりも重くはなかった。こんなもんか、と思った。安いコースの着物の色がどうも気に入らなくて、残業代2時間分の金銭を支払い高いコースをチョイスした。でも独身者の袴って、紫じゃなかったっけ?という疑問は敢えて胸にしまう。ここで「あーだこーだ」などと言うのは無粋だと判断したためである。
かつらは垂れ髪。







脱ぐときは一気にドサッと。
別室で化粧を落とし、またいつもと変わらない自分の顔を作る。
来年はここで花魁に挑戦するつもり。
楽しみ~♪

河原町まで鴨川沿いを歩く。


続いては「フランソワ」へ。
嶽本野ばら先生の「カフェー小品集」の「品性のある制服と、品性のある歯車」に出てきたカフェーである。

なるほど。
制服、可愛い。
グレーのAラインのワンピースに涼やかなレースの襟。本の中のまんまだ。店員さんも皆綺麗。
店内は名曲が似合うハイソサイティな雰囲気が漂っていて、野ばら先生ワールド炸裂。シューベルトの「ます」、そして「野ばら」が流れてきたのは奇跡だと思った。建物は「有形文化財登録」とのこと。

有名なレアチーズケーキを食する。濃厚。でもさっぱり。今まで食べてきたチーズケーキの中で一番美味だった。

続いて太秦の広隆寺へ。



弥勒菩薩半跏思惟像に会いに行く。

教科書の中でしか見たことがなかった彼。国宝第1号。華奢な体が魅力的。
その昔、京大生がこの弥勒菩薩の指を折ってしまったことはあまりのも有名だが、動機はこの美しさに惑わされてしまったことにあるという。
裁判が行われ、裁判官が『美しすぎたのが罪』と言ったというのは本当だろうか。
実物を前にすると、いい匂いがしてくる。視覚にあまりにも強い刺激を得て、嗅覚もつられて錯覚を起こしたらしい。
右手をそっと頬に当てて思索にふけり、微かに微笑んだ表情が何とも言えない。

16時25分の京都駅発のバス(みやこライナー)で尾道入り。
22時00分、いつものホテルに到着。7回目の宿泊。フロントの人も変わらず。彼に「ただいま」と言いたくなる衝動を抑えながらチェックイン。

海に面した部屋を希望していた。窓の外に目をやると、向島のパチンコ屋さんの夜景が水面に反射しているのが見えた。
「ただいま」
と呟く。
さて、明日は尾道を徘徊する。
体力勝負なので早く寝ようっと。

吉熊は疲れてしまい、寝てしまったもよう。

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