会社の非常口を開けた途端、甘い香りが鼻孔をかすめた。
咲き始めた金木犀の香りだ。
公園の端に植えられた金木犀は、暑さが消えるこの頃、毎年きちんと咲く。
オレンジ色の小さな花を見ると、顔を近づけたくなる。
甘い香りは私の海馬を柔らかく刺激する。
この香りを嗅ぐ会長の姿が脳裏に蘇る。
あれは去年のこと。
この木の下で、会長は両腕を後ろに反らし、背伸びをして、思いきり花に顔を近づけて嗅いでいた。
巡ってきた季節をいとおしむかのような彼の姿は、彼の根底に流れる優しさを感じさせた。
金木犀と言えば、もうひとつ。
母ヨーコたん。
母は幼き頃、金木犀の花を自作の小袋に入れて持ち歩いたそうな。
「いい匂いだったから」というのがその理由。素朴な少女だったのだなあ。
甘い香りは、そんなことを一年ぶりに思い出させてくれた。
※画像は昼休みに撮影したもの。
お気に入りの一枚。
咲き始めた金木犀の香りだ。
公園の端に植えられた金木犀は、暑さが消えるこの頃、毎年きちんと咲く。
オレンジ色の小さな花を見ると、顔を近づけたくなる。
甘い香りは私の海馬を柔らかく刺激する。
この香りを嗅ぐ会長の姿が脳裏に蘇る。
あれは去年のこと。
この木の下で、会長は両腕を後ろに反らし、背伸びをして、思いきり花に顔を近づけて嗅いでいた。
巡ってきた季節をいとおしむかのような彼の姿は、彼の根底に流れる優しさを感じさせた。
金木犀と言えば、もうひとつ。
母ヨーコたん。
母は幼き頃、金木犀の花を自作の小袋に入れて持ち歩いたそうな。
「いい匂いだったから」というのがその理由。素朴な少女だったのだなあ。
甘い香りは、そんなことを一年ぶりに思い出させてくれた。
※画像は昼休みに撮影したもの。
お気に入りの一枚。