世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

この目で見た津波の爪痕

2011年10月09日 | Weblog
10月9日
両親と車で東北地方に行く。
起床6時。出発7時。
今回の目的は3月11日に起きた津波の爪痕を確認することにある。
まずは東北自動車道を北上。サービスエリアで休憩しつつ、ひたすら走る。クマパパ、大活躍。私は酔止めを飲んだので後部座席で爆睡。
正午、高速を降りて目に飛び込んできたのは石巻港。
海沿い、といっても海岸から200メートルぐらい離れている家も1階部分が損壊していた。


道の前方に何かを発見。


かつて水産加工工場の前に立っていた巨大缶詰らしい。



女川
基礎部分しか残っていない家がほとんどだった。




マリンパル女川という施設。
地盤沈下でマリンパル女川の駐車場は海の中。




かつてのマリンパル女川



ぺしゃんこになった車がまだそのまま。



瓦礫といっても、津波に流される前は生活の用を足していたものだ。
よく見てみると茶碗の破片や、お風呂のタイルの破片だったりする。
印象的だったのは、エロ雑誌の切り抜きがきれいに入れられたファイル。泥だらけだった。このファイルの主人は無事だったのだろうか。



この建物は横転したまま。



どこから流れ着いたのか、大黒さまが微笑む。どんな人たちに親しまれていたのか、その人は元気なのか。この笑顔を見たら、なんかくるものがあって、涙が出てきそうだった。







尾浦
こんなに穏やかな海なのに。あの日、猛然とこの町に襲いかかったことが信じられない。


ざぶん…ざぶん…と打ち寄せる波の音、ふと、どこからか猫が一匹やってきた。その猫はひどく痩せ細っていた。
「逞しく生きていくんだよ」


かつてここで人々が生活していたのはなんとなく感じるのだが、人気は無し。


雄勝
建物の上にバスが。信じがたい光景。津波の物々しさを感じた。


流されてしまった家の跡地に月見草が咲いていた。


橋が壊れていて北上川を渡れず、ひたすら南下。
街中を走っている時、空腹になった父がまだ準備中の飲食店を見て「チクショー」と。
その様子は妙に幼子ぽかった。
昨日から今日にかけて、我が家では「チクショー」が流行語大賞になった。

河北で高速に乗る前、上品の道の駅でご飯を食べることにした。
カレーうどん。美味しかった。



南三陸町へ。
町全体がなくなっていた。







多くの人が命を落とした公立志津川病院


その道を挟んだ海側


このぬいぐるみは、誰を待っているのだろうか。














あの日、防災無線アナウンスで避難を呼び掛け多くの人の命を救った防災センター職員の遠藤未希さん。新婚でまだ24歳だったらしい。これから楽しいこと笑えることがたくさんあっただろうに…そう思うとやりきれない。鉄骨がむき出しの防災センターには献花台ができていた。合掌。

復興のためと土産屋や食堂を探したのだが、そんな自分の無知を恥じた帰路。
どこも店どころか、人数もまばらだった。
そして、海を見て綺麗と感じられないのは初めてだった。

震災から7ヶ月。
ここではまだ震災が続いていることを強く実感した。
そして、自分の身に起きた震災の影響…電車遅延や節電で、ブーブーと不満を述べていた自分が情けない。

コメント (5)