社長に、出張を命じられた。
宿泊を伴う出張。
まず思ったのは、ドラマ「東京ラブストーリー」である。
第4話。
喧嘩をしたリカとカンチ。
翌日からリカは出張で苗場へ。
リカの出張を知らなかったカンチ。
当時、携帯なんてなかった時代。連絡が取れない。
やきもきしながらリカの帰りを待つカンチ。
カンチの一週間が「ラブストーリーは突然に」をBGMにして流れる。
営業先や会議で活躍するカンチ。
でもふとよぎるはリカの面影。
1月28日、ついに会社に帰ってきたリカだったが、なぜかカンチをガン無視する。
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がっかりするカンチ。
外回りから帰社し、机に着くと、足元に何かが!
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箱である。
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その箱をそっと開けてみると…
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カンチは公衆電話からリカに電話をかける。
でも一声が出てこない。
二人の間には、すぐそばを走る車の音が流れるだけ。
ようやく言葉を発するカンチ。
「会いたい」
答えるリカ
「…うん」
たしか東池袋中央公園で待ち合わせ。
(リカ) 「ただいまカンチ」
(カンチ)「なんだよ。出張行くんだったら行くって一言言えな」
(リカ) 「なんで部長でもないあんたにいちいち断わらなきゃいけないのよ」
(カンチ)「あ、そうかよ、そうかよ。何だ人がせっかく心配してやったのに」
(リカ) 「うーん、心配してたんだ~?」
(カンチ)「だ、だから、ほらあの、胸騒ぎするから」
(リカ) 「病院行った方がいいんじゃない?」
(カンチ)「心臓病じゃない!」
~中略~
(リカ) 「そんなに私のこと好きなんだ。うーん、知らなかったなあ。あ、そう。けどね、あたしの気持ちってものもあるし、そう簡単には両思いにはなんないよ」
(カンチ)「頑張る」
(リカ) 「夜中に寂しい時飛んできてくれる?」
(カンチ)「飛んでいく」
(リカ) 「ヒマラヤのてっぺんから電話したら、迎えに来てくれる?」
(カンチ)「迎えに行く」
(リカ) 「あったかいおでん持ってきてくれる?」
(カンチ)「屋台ごと持って行く」
(リカ) 「ビートリズのコンサート、家で開きたいって言ったら?」
(カンチ)「連れてくる」
(リカ) 「ジョンはどうするの?」
(カンチ)「俺が代わりに歌う」
(リカ) 「魔法使って、この空に虹掛けてって言ったら?」
(カンチ)「それはできないかもしれないけど…」
(リカ) 「じゃ、だめだ」
(カンチ)「でも、魔法だったら使える。」
(リカ) 「どんな?」
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リカの唇に自らのそれを重ねるカンチ…。
背後に広がる公園のネオンに包まれ、二人はそっとほほ笑む…。
これですよ、私がOLになろうと思った瞬間は。
これがやりたいが故に地元を離れ上京し、「御社が第一希望です」と言いまくり、運良く今の会社に潜入したのである。
しかし、現実は、カンチなんて、どっこにもいない!
挙げ句の果てには
「あれ?亮子ちゃん、昨日いなかったっけ?」
と言われる始末。
透明な存在であるボクならぬ、透明な存在であるOL…。
でも、大事なのは、本当に「虹をかけられる」かどうかではなくて、「魔法は使える!」と言ってくれる存在がいることだ。
な、吉熊。
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とりあえず、出張、頑張ってくる。
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宿泊を伴う出張。
まず思ったのは、ドラマ「東京ラブストーリー」である。
第4話。
喧嘩をしたリカとカンチ。
翌日からリカは出張で苗場へ。
リカの出張を知らなかったカンチ。
当時、携帯なんてなかった時代。連絡が取れない。
やきもきしながらリカの帰りを待つカンチ。
カンチの一週間が「ラブストーリーは突然に」をBGMにして流れる。
営業先や会議で活躍するカンチ。
でもふとよぎるはリカの面影。
1月28日、ついに会社に帰ってきたリカだったが、なぜかカンチをガン無視する。
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がっかりするカンチ。
外回りから帰社し、机に着くと、足元に何かが!
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箱である。
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その箱をそっと開けてみると…
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カンチは公衆電話からリカに電話をかける。
でも一声が出てこない。
二人の間には、すぐそばを走る車の音が流れるだけ。
ようやく言葉を発するカンチ。
「会いたい」
答えるリカ
「…うん」
たしか東池袋中央公園で待ち合わせ。
(リカ) 「ただいまカンチ」
(カンチ)「なんだよ。出張行くんだったら行くって一言言えな」
(リカ) 「なんで部長でもないあんたにいちいち断わらなきゃいけないのよ」
(カンチ)「あ、そうかよ、そうかよ。何だ人がせっかく心配してやったのに」
(リカ) 「うーん、心配してたんだ~?」
(カンチ)「だ、だから、ほらあの、胸騒ぎするから」
(リカ) 「病院行った方がいいんじゃない?」
(カンチ)「心臓病じゃない!」
~中略~
(リカ) 「そんなに私のこと好きなんだ。うーん、知らなかったなあ。あ、そう。けどね、あたしの気持ちってものもあるし、そう簡単には両思いにはなんないよ」
(カンチ)「頑張る」
(リカ) 「夜中に寂しい時飛んできてくれる?」
(カンチ)「飛んでいく」
(リカ) 「ヒマラヤのてっぺんから電話したら、迎えに来てくれる?」
(カンチ)「迎えに行く」
(リカ) 「あったかいおでん持ってきてくれる?」
(カンチ)「屋台ごと持って行く」
(リカ) 「ビートリズのコンサート、家で開きたいって言ったら?」
(カンチ)「連れてくる」
(リカ) 「ジョンはどうするの?」
(カンチ)「俺が代わりに歌う」
(リカ) 「魔法使って、この空に虹掛けてって言ったら?」
(カンチ)「それはできないかもしれないけど…」
(リカ) 「じゃ、だめだ」
(カンチ)「でも、魔法だったら使える。」
(リカ) 「どんな?」
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リカの唇に自らのそれを重ねるカンチ…。
背後に広がる公園のネオンに包まれ、二人はそっとほほ笑む…。
これですよ、私がOLになろうと思った瞬間は。
これがやりたいが故に地元を離れ上京し、「御社が第一希望です」と言いまくり、運良く今の会社に潜入したのである。
しかし、現実は、カンチなんて、どっこにもいない!
挙げ句の果てには
「あれ?亮子ちゃん、昨日いなかったっけ?」
と言われる始末。
透明な存在であるボクならぬ、透明な存在であるOL…。
でも、大事なのは、本当に「虹をかけられる」かどうかではなくて、「魔法は使える!」と言ってくれる存在がいることだ。
な、吉熊。
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とりあえず、出張、頑張ってくる。
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