その昔、製糸業で栄えた岡谷市には「蚕糸博物館」があります。市内で桑を育てている方もいて、博物館主催の「桑園管理セミナー」が開かれて参加しました。講師は農研機構の元研究員「小山朗夫」先生です。私自身は桑を育てるつもりはさらさらなかったのですが、桑について知る機会になればと参加してみました。
最初は座学で「桑の苗木育成」についてのお話でした。この中に桑の剪定や剪定枝による挿し木の方法も教えていただきました。
桑は「古条挿し」」という方法で増やすのが良いとのことです。これは葉が落ちて葉が出る前の枝を使って挿し木をする方法で、今回それを教えていただきました。座学の後、庭に出て実習…博物館の庭の桑の木を切って挿し木をしました。まずはプランターに土を準備しました。土は「赤玉土」を底から大粒、その上に小粒を敷き詰め(プランターのスリットの位置まで)、その上に「バーミキュライト」を敷き詰めました。
土を準備したところで桑を切りました。挿し木に使う木の芽が出ている少し上と少し下でカットします。たくさんの挿し木用の枝を準備しました。カットするのは平らで良いそうですが、斜めにカットする時は芽がある方を長めするそうです。挿し木用の枝は剪定枝の下の方から2本分採るのが良いそうです。切り口は滑らかになるよう注意し、皮を剥いてしまわないようにとのことでした。
この挿し木用の枝をプランターに植えていきました。カットしたらすぐ植えた方が良いそうです。等間隔にこのプランターでは5本づつ2列に植えました。芽が伸びる方を上にして、上の一つの芽が出る位置まで差し込みます。芽の出ている向きをプランターの外側に揃えると良いそうです。差したらゆすって土を落ち着かせるようにとのことでした。
この後、たっぷりの水をやってあまり寒いと発芽、発根しないのでこのプランターはしばらく蚕糸博物館の屋内で管理するそうです。苗木が育ったら落葉後の秋か、寒い所では次の春に植えかえれば良いそうです。
次の日には桑園で剪定作業の実習でした。これもまた私にはあまり関係のないことなのですが、実際の桑園の様子も見てみたかったので参加してみました。桑園は川岸地区の鶴嶺公園の上にありました。実際にこの地区では養蚕をしている方がおられるとのことでした。
伸びた枝や虫の付いた枝を切り取り、2~3本仕立てにしていくことを目指して剪定するそうです。その見極めはなかなか難しそうでした。こんなに剪定してもぐんぐん枝を伸ばして葉をつけるそうで、桑の生命力はすごいようです。
先生に教わりながら、皆で剪定作業の実習をしました。電動の剪定ばさみや鋸を持参している方もいて見せていただきました。私のように力のない者にはお助けの道具のようです。
ここで注目は桑の木を枯らしてしまう「カミキリムシ」の存在です。この虫がついた枝は切ってしまわなければなりません。虫の入った跡を見つけることが大事だそうで、この時見つけた木を割ってみたら「カミキリムシ」の幼虫が入っていました!ここで信州大学の農学部の先生のお話…この幼虫は昆虫食の対象になっていて美味しいとのこと!学生さんでこれを好んで食べている方が居るとお聞きしてビックリでした。
思いがけず時間の調整が出来たので、桑について学んでみました。実践はしないだろうけれど、記録は残しておこうとブログにまとめてみましたが、なんと夫が赤玉土(大、小)とバーミキュライトを購入してきました!夫が挿し木をしてみたくなったのかしらと思ったら、せっかく学んだのだから私がやってみればいいかと!はてさて、どうしたものでしょう…