「親の影響は、ものすごい」と思うことがある。
また、同様に・・・
「環境が、その人をつくりあげる」と、思うことは、しばしばである。
実際、世界的なチェリスト:ヨーヨー・マの伝記を読むと、
そのあたりの壮絶な時代背景に打ち勝った“軌跡”が、手に取るように
理解できる(祖父の時代の中国を想像してほしい)。
【ヨーヨー・マ■1955年生まれ、中国系アメリカ人】
ヨーヨー・マの祖父は、音楽に対する夢を抱いていたが、
当時の祖国に可能性を見出すことができず・・・
まず、(苦労して)息子をフランスに留学させ、音楽を学ばせる。
そして、フランスで音楽的な専門家となった父親に育てられたヨーヨー・マは、
英才教育の果てに、世界のひのき舞台を踏むまでに成長することとなった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/ec/90037b8d5a536107bac0d6b27977585b.jpg)
【Soul of the Tango/ヨーヨー・マ プレイズ・ピアソラ】
彼の伝記を読んだのは、10年近い前(?)のことだが・・・
私が「すごい!」と感じたのは・・・・・
この事実を、祖父が随分前に思い描き、計画して、尚且つ、実際に
実行していたということである。
「自分の夢は、三代目によって始めて、花を咲かせるであろう」・・・と。
実際、それは実現されたのである。
もともとの才能によって、一代にして(一瞬にして)有名になる人もいれば、
長い年月を経た「努力」の積み重ねによって、願いがかなう人もいる。
勿論、どちらも、ある最低限度の才能があることが前提になるにしても・・・
様々な人生があるものだと、しみじみ感じる。
世の中に感動を与え、世の中の人々を動かせる人は、極めて少ない。
特に、芸術の世界では、限りなく枠が狭くなってしまうように思う。
だから、私が卓越した音楽的才能を持ちえた人に感動する所以かもしれない。
ヨーヨー・マの活動と音楽性には、昔からひかれている。
アルバムも幾つか持っている。
誰もが背負う“わが身のルーツ”を、オリジナルの音楽の中に取り入れ、
かつ、彼は斬新な挑戦を繰り返しているからだろう・・・。