平成26年(し)第567号
再審請求棄却決定に対する即時抗告棄却決定に対する特別抗告事件
平成27年3月24日 第二小法廷決定
裁判中にAさんは,京都刑務所で服役中の平成21年7月に本件再審請求をし,原々審からの求意見に対して意見書を提出した後,平成22年9月,同刑務所を出所し,原々審に対し,住居を川崎市内のアパートに変更したため以後裁判所からの書面は同所に送付されたい旨の住居変更の届出書を住民票の写しとともに提出しました。
ところが、本件再審請求を棄却し,同年4月2日,その決定謄本を前記届出住居に宛てて郵便により送達する手続をしたが,「あて所に尋ねあたりません」という理由で返送されました。別件で逮捕,勾留されて起訴され,本件付郵便送達当時は,横浜拘置支所に収容されていたのです。
こうしているうち、本件での即時抗告期間が過ぎ、特別抗告ができなかったことを不服として訴えたものです。
この件について、最高裁は「前記事実関係によれば,申立人は,自ら再審請求をしたにもかかわらず,前記住居変更の届出書を提出した後,原々決定謄本について本件付郵便送達がなされるまで,裁判所に対して住居等の変更届出や連絡をしてこなかった一方で,原々審は,申立人の所在を把握できず,他に申立人が別件で刑事施設に収容されていることを知る端緒もなかったのである。このような事実関係の下では,本件付郵便送達は,刑訴規則62条1項の住居,送達受取人等の届出を申立人が怠ったことを理由に同規則63条1項により申立人本人を受送達者として前記届出住居に宛てて行ったものと理解することができ,再審請求をしている申立人が実際には別件で刑事施設に収容されていたとしても,有効と解するのが相当である。」という理由で特別抗告を認めませんでした。
刑訴法434条,426条1項により,裁判官全員一致の意見です。
要するに、Aさんが犯罪を犯して拘置所にいたことは、裁判所に連絡もなかったのだから知ったことかということのようです。確かに、一般人の感覚からすれば、犯罪を繰り返すような人はろくでもないのだからこんなもの認めるなという感じになるでしょう。
しかし、憲法第32条で裁判を受ける権利があります。これを無視していることにならないでしょうか。刑事訴訟法の方が憲法を優先しているように見えます。
私は拘置所に収監されたこともないし見学にも行ったことがないので、収監者が外部に対して連絡が取れるかどうかは知りません。恐らく収監されたことで頭がいっぱいで、取調も10時間近く行われているでしょうから、以前の裁判に関しての手続きがすっかりすっ飛んでしまっている可能性もあります。弁護士が接見していれば通知を出してもらうことも不可能ではないような気がしなくもありませんが、判決理由にこのあたりの説明が皆無なのです。
もっとも前の事件も担当している弁護士であれば、気を遣ってくれることもない事はないでしょう。本判決は余りにも大雑把な切り方ではないでしょうか。
今回の裁判官
第二小法廷
裁判長裁判官 小貫芳信 ややずれている
裁判官 千葉勝美 ややずれている
裁判官 鬼丸かおる ややずれている
裁判官 山本庸幸 ややずれている
第二小法廷は雑であるという印象をぬぐえません。
再審請求棄却決定に対する即時抗告棄却決定に対する特別抗告事件
平成27年3月24日 第二小法廷決定
裁判中にAさんは,京都刑務所で服役中の平成21年7月に本件再審請求をし,原々審からの求意見に対して意見書を提出した後,平成22年9月,同刑務所を出所し,原々審に対し,住居を川崎市内のアパートに変更したため以後裁判所からの書面は同所に送付されたい旨の住居変更の届出書を住民票の写しとともに提出しました。
ところが、本件再審請求を棄却し,同年4月2日,その決定謄本を前記届出住居に宛てて郵便により送達する手続をしたが,「あて所に尋ねあたりません」という理由で返送されました。別件で逮捕,勾留されて起訴され,本件付郵便送達当時は,横浜拘置支所に収容されていたのです。
こうしているうち、本件での即時抗告期間が過ぎ、特別抗告ができなかったことを不服として訴えたものです。
この件について、最高裁は「前記事実関係によれば,申立人は,自ら再審請求をしたにもかかわらず,前記住居変更の届出書を提出した後,原々決定謄本について本件付郵便送達がなされるまで,裁判所に対して住居等の変更届出や連絡をしてこなかった一方で,原々審は,申立人の所在を把握できず,他に申立人が別件で刑事施設に収容されていることを知る端緒もなかったのである。このような事実関係の下では,本件付郵便送達は,刑訴規則62条1項の住居,送達受取人等の届出を申立人が怠ったことを理由に同規則63条1項により申立人本人を受送達者として前記届出住居に宛てて行ったものと理解することができ,再審請求をしている申立人が実際には別件で刑事施設に収容されていたとしても,有効と解するのが相当である。」という理由で特別抗告を認めませんでした。
刑訴法434条,426条1項により,裁判官全員一致の意見です。
要するに、Aさんが犯罪を犯して拘置所にいたことは、裁判所に連絡もなかったのだから知ったことかということのようです。確かに、一般人の感覚からすれば、犯罪を繰り返すような人はろくでもないのだからこんなもの認めるなという感じになるでしょう。
しかし、憲法第32条で裁判を受ける権利があります。これを無視していることにならないでしょうか。刑事訴訟法の方が憲法を優先しているように見えます。
私は拘置所に収監されたこともないし見学にも行ったことがないので、収監者が外部に対して連絡が取れるかどうかは知りません。恐らく収監されたことで頭がいっぱいで、取調も10時間近く行われているでしょうから、以前の裁判に関しての手続きがすっかりすっ飛んでしまっている可能性もあります。弁護士が接見していれば通知を出してもらうことも不可能ではないような気がしなくもありませんが、判決理由にこのあたりの説明が皆無なのです。
もっとも前の事件も担当している弁護士であれば、気を遣ってくれることもない事はないでしょう。本判決は余りにも大雑把な切り方ではないでしょうか。
今回の裁判官
第二小法廷
裁判長裁判官 小貫芳信 ややずれている
裁判官 千葉勝美 ややずれている
裁判官 鬼丸かおる ややずれている
裁判官 山本庸幸 ややずれている
第二小法廷は雑であるという印象をぬぐえません。