平成26(行ヒ)75 審決取消等請求事件
平成27年4月28日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
某大手、音楽映像物の著作権管理団体(ほとんど名前を言っているようなものですが)が、音楽使用権の徴収方法の変更と値上げを使用者側に伝えました。使用者としては、一方的な徴収方法と値上げは止めてほしいと調停を申し入れました。
ここで論点となるのは、独占禁止法です。公正取引委員会によると
この独占禁止法の目的は,公正かつ自由な競争を促進し,事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることです。市場メカニズムが正しく機能していれば,事業者は,自らの創意工夫によって,より安くて優れた商品を提供して売上高を伸ばそうとしますし,消費者は,ニーズに合った商品を選択することができ,事業者間の競争によって,消費者の利益が確保されることになります。このような考え方に基づいて競争を維持・促進する政策は「競争政策」と呼ばれています。
という目的があります。
では、音楽著作権管理団体にはどんなものがあるのでしょうか?主に6団体あるようです。
とは言っても、実質的には某団体が圧倒的強さを誇り、音楽著作権市場の過半数を超えているそうです。
そしてもっと問題なのは、これまで徴収方法と徴収された金額のうち本来の著作権者にどれだけ払われているのか不透明でした。独占が進むと一方的な値上げを受けなければならず、著作権を信託する方も弱小の団体に委託するより管理がしてもらいやすくなるので商品が集中します。結果的に、団体がやりたい放題できるようになるという問題が発生します。
wikiでは
2005年、週刊ダイヤモンド(9月17日特大号ダイヤモンド社発行)は、「企業レポート 日本音楽著作権協会(ジャスラック) 使用料1000億円の巨大利権 音楽を食い物にする呆れた実態」と題する記事を掲載し[28]、JASRACによる著作物使用料の徴収・配分と文部官僚の天下りが続く組織運営のあり方に問題があると主張した。文部省(文部科学省)からの役員の天下りが50年以上続いていること、JASRACの役員の報酬を決める役員審議会が非公開であること、法外に高い報酬を受け取っていることを述べている。
と書かれています。この天下り団体の行動にメスを入れたというのは、単に著作権管理団体の独占行為に対して牽制する以上の意味を持つのです。
もっとも、裁判官はそんな背景は一切関係なく、独占禁止法に抵触するか否かを判断したわけです。それでもなお、日本は独占禁止法違反で罰せられることはアメリカやEUから比べて極めて少なく、その意味でも今回の裁判官はいい仕事をしたと言えます。
恐らくアメリカであれば、分割命令が出る可能性が高いです。
今回の裁判官 第三小法廷
裁判長裁判官 岡部喜代子
裁判官 大谷剛彦
裁判官 大橋正春
裁判官 木内道祥
裁判官 山崎敏充
平成27年4月28日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
某大手、音楽映像物の著作権管理団体(ほとんど名前を言っているようなものですが)が、音楽使用権の徴収方法の変更と値上げを使用者側に伝えました。使用者としては、一方的な徴収方法と値上げは止めてほしいと調停を申し入れました。
ここで論点となるのは、独占禁止法です。公正取引委員会によると
この独占禁止法の目的は,公正かつ自由な競争を促進し,事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることです。市場メカニズムが正しく機能していれば,事業者は,自らの創意工夫によって,より安くて優れた商品を提供して売上高を伸ばそうとしますし,消費者は,ニーズに合った商品を選択することができ,事業者間の競争によって,消費者の利益が確保されることになります。このような考え方に基づいて競争を維持・促進する政策は「競争政策」と呼ばれています。
という目的があります。
では、音楽著作権管理団体にはどんなものがあるのでしょうか?主に6団体あるようです。
とは言っても、実質的には某団体が圧倒的強さを誇り、音楽著作権市場の過半数を超えているそうです。
そしてもっと問題なのは、これまで徴収方法と徴収された金額のうち本来の著作権者にどれだけ払われているのか不透明でした。独占が進むと一方的な値上げを受けなければならず、著作権を信託する方も弱小の団体に委託するより管理がしてもらいやすくなるので商品が集中します。結果的に、団体がやりたい放題できるようになるという問題が発生します。
wikiでは
2005年、週刊ダイヤモンド(9月17日特大号ダイヤモンド社発行)は、「企業レポート 日本音楽著作権協会(ジャスラック) 使用料1000億円の巨大利権 音楽を食い物にする呆れた実態」と題する記事を掲載し[28]、JASRACによる著作物使用料の徴収・配分と文部官僚の天下りが続く組織運営のあり方に問題があると主張した。文部省(文部科学省)からの役員の天下りが50年以上続いていること、JASRACの役員の報酬を決める役員審議会が非公開であること、法外に高い報酬を受け取っていることを述べている。
と書かれています。この天下り団体の行動にメスを入れたというのは、単に著作権管理団体の独占行為に対して牽制する以上の意味を持つのです。
もっとも、裁判官はそんな背景は一切関係なく、独占禁止法に抵触するか否かを判断したわけです。それでもなお、日本は独占禁止法違反で罰せられることはアメリカやEUから比べて極めて少なく、その意味でも今回の裁判官はいい仕事をしたと言えます。
恐らくアメリカであれば、分割命令が出る可能性が高いです。
今回の裁判官 第三小法廷
裁判長裁判官 岡部喜代子
裁判官 大谷剛彦
裁判官 大橋正春
裁判官 木内道祥
裁判官 山崎敏充