最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

トンデモ論旨 子の引渡仮処分

2018-02-17 17:10:39 | 日記
平成29(許)17  子の引渡し仮処分命令申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
平成29年12月5日  最高裁判所第三小法廷  決定  棄却  福岡高等裁判所  那覇支部

離婚した父母のうち子の親権者と定められた父が法律上監護権を有しない母に対し親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求めることは,次の(1)~(3)など判示の事情の下においては,権利の濫用に当たる。
(1) 子が7歳であり,母は,父と別居してから4年以上,単独で子の監護に当たってきたものであって,母による上記監護が子の利益の観点から相当なものではないことの疎明がない。
(2) 母は,父を相手方として子の親権者の変更を求める調停を申し立てている。
(3) 父が,子の監護に関する処分としてではなく,親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求める合理的な理由を有することはうかがわれない。
(補足意見がある。)


1 出来ちゃった結婚しましたが、3年後に母親が子供を連れて別居に至りました。
2 子供が3歳の時に、親権者を父にして協議離婚にいたりました。
3 ところが、子供が6歳になったときに親権者を父親から母親に変更するように調停を起こしました。

那覇地裁では、家事事件手続法別表第2の3の項所定の子の監護に関する処分の審判事件であり,民事訴訟の手続によることができないから,本件申立ては不適法であるとして却下すべきものとして却下した。

これに対して最高裁は、
離婚した父母のうち子の親権者と定められた一方は,民事訴訟の手続により,法律上監護権を有しない他方に対して親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求めることができると解される(最高裁昭和32年(オ)第1166号同35年3月15日第三小法廷判決・民集14巻3号430頁,最高裁昭和45年(オ)第134号同年5月22日第二小法廷判決・判例時報599号29頁)。

要するに、過去の判例から出来ますよと言ってます。続けて

長男が7歳であり,母は,抗告人と別居してから4年以上,単独で長男の監護に当たってきたものであって,母による上記監護が長男の利益の観点から相当なものではないことの疎明はない。

この時点で母親の監護能力に問題はなかったと言えるのでしょうか??実際に、親権者を父親にして離婚をしています。親権が欲しければ、離婚時に申し立てるべきであり、一度放棄してから数年後になってから変更を求めると負うのは解せません。この時点で、物心がついてから生活環境を変える方がよほどこの監護に問題がありますね。

そして,母は,抗告人を相手方として長男の親権者の変更を求める調停を申し立てているのであって,長男において,仮に抗告人に対し引き渡された後,その親権者を母に変更されて,母に対し引き渡されることになれば,短期間で養育環境を変えられ,その利益を著しく害されることになりかねない


抗告人は,母を相手方とし,子の監護に関する処分として長男の引渡しを求める申立てをすることができるものと解され,上記申立てに係る手続においては,子の福祉に対する配慮が図られているところ(家事事件手続法65条等),抗告人が,子の監護に関する処分としてではなく,親権に基づく妨害排除請求として長男の引渡しを求める合理的な理由を有することはうかがわれない。
そうすると,上記の事情の下においては,抗告人が母に対して親権に基づく妨害排除請求として長男の引渡しを求めることは,権利の濫用に当たるというべきである。


ちょっと待ってくださいよ。これは面会交流を妨害するのではなく、親権ですよ。6歳と言えば小学校に入るかどうかの年齢ですから、夕方から朝まで約15時間以上も一緒に暮らし、重要な案件も親権者が決めるのです。普段の言動から、態度も含め、その子供の人格形成に大きく影響を与えるのです。裁判官はそこを分かっているのでしょうか?

これについて木内裁判官の補足意見があります。

親権は,子の監護及び教育をする権利であると同時に義務であって,子の利益のために行使されるべきものである(民法820条)。所有権が対象に対する排他的
支配権であって,権利であるが故にその行使を妨害されないという妨害排除請求権が認められるのとは異なり,単に親権者であることからその親権の行使が認められるのではなく,その行使が子の利益のためにするものであってはじめて権利の行使として許容される。親権の行使が「子の利益を害するとき」は民法834条の2による親権の停止の事由となり,親権そのものが停止されるに至るのであるから,親権を行使する個々の場面でも,子の利益を害するものが許されないことはいうまでもない。


その通りですよ。

民事訴訟の手続による親権に基づく子の引渡請求の本案訴訟及びそれを本案とする民事保全処分においては,権利の存否及び保全の必要性について,専ら,当事者(本件でいえば,子の父と母)が裁判所に対して主張と証拠の提出を行わなければならず,裁判所が子の利益のために後見的役割を果たすことは予定されておらず,そのための道具立ては用意されていない。


ここまではごもっとも。

別居以来,4年以上,母が単独で監護に当たっており(少なくとも本年3月末までは)母による監護について抗告人である父があらかじめ同意しており,その監護態様に異議が述べられたことがあるとは認められない。本件の申立てにおいても,母による監護が子にとって不相当であるという疎明はされていない。すると,そのような監護状態にある子を主たる監護者である母から引き離して抗告人に引き渡すことは,抗告人が親権者であるとはいえ,子の利益を害するおそれがあるというべきである。


母が子にとって不相当であると疎明されていないとありますが、「その当時は」と限定すべきですね。その後、親権を父親にしていることをもっと重視すべきです。しかも、協議離婚であるから親権を放棄したとみなすべきでしょう。

全員一致で、
このような抗告人の親権に基づく母に対する子の引渡請求は,子の利益のためにするものということはできず,権利の濫用として許されないものである。
裁判長裁判官 木内道祥 トンデモ
裁判官 岡部喜代子 トンデモ
裁判官 山崎敏充 トンデモ
裁判官 戸倉三郎 トンデモ
裁判官 林 景一 トンデモ

とんでもないですね。これが父親だったらどうなるのでしょうか?ほとんどが母性優先の原則とやらの意味不明な原則で、ほとんど無理やり母親に渡されます。父親だったらこのような判決が出るとは到底思えません。社会がこれだけ女性の社会進出、男女平等、イクメン等々お題目を並べていますが、こういう判決が出ると虚しくなります。
この裁判は地裁から最高裁まで6ヶ月という短期間で行われましたが、通常離婚裁判はまず調停をしてからでないと家裁に申し立てられません。たいていは、夫が仕事意言っている間にこっそりと母親が連れ去りをします。その上で継続性の原則を見たすために、DVをでっち上げて接見禁止、揚句に住所を転々とし半年以上単独で監護していたから今度は継続性の原則。そうでなくても、普通2-3年の期間裁判をやり続けます。これで親権は連れ去った者が地になります。これは泥棒に追い銭ですよね。
このケースでは、母親が連れ去り、その後離婚時に親権を夫に移しているのです。ここをもっと重視すべきで、論旨はトンデモとしか言いようがありません。

参考サイト 母性優先の原則・監護継続性の原則廃止要求