これは重要な裁判で、最高裁判決のデータベースに載せるような事件なのになぜか最高裁のHPには上がっていません。これまでの判例では確か確実に盗まれた人も賠償義務があったと思います。
ということで、報道ベースで見ていきます。まずは日経新聞の報道です。
施錠せず鍵を車内に置いたまま盗まれた車で起きた交通事故を巡り、車を管理していた会社の責任の有無が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(林景一裁判長)は21日、責任を認めず、賠償請求を退けた。二審・東京高裁は「盗難の危険がある管理状況だった」として同社に賠償を命じたが、最高裁は管理上の過失は認められないと判断した。
一、二審判決によると2017年1月18日未明、川崎市内にある築炉会社の独身寮にあったワゴン車が盗まれた。車を盗んだ男は約5時間後に居眠り運転で多重事故を起こし、巻き込まれた車を所有する会社2社と損害保険会社が築炉会社に対し修理代などを求めて提訴した。
車の鍵は当時、従業員が車内の日よけに挟んだままだったが、会社側は寮内の食堂で保管する内規を定めていた。同小法廷は判決理由で「(築炉会社は)車の盗難防止措置を講じており、保管上の過失があるとは言えない」と結論づけた。
産経新聞の報道です
会社に管理上の過失があるか、過失がある場合は事故との因果関係が認められるかが争点だった。林景一裁判長は「会社は車の鍵を保管する場所を内規で定めるなど、盗難防止の措置を講じていた」と指摘。従業員が内規に従っていなかったことも把握しておらず、「過失は認められない」と述べた。
過失があった場合の事故との因果関係については判断を示さなかった。
判決によると、川崎市内にある築炉会社の独身寮に止めていたワゴン車が平成29年1月18日未明に盗まれ、約5時間後、盗んだ男が横浜市内で居眠り運転し、停車中の大型トラックに追突。ほかに2台のトラックを巻き込んだ。巻き込まれた車を所有する会社2社と損害保険会社が、築炉会社に修理代などを求めて提訴した。
弁護士ドットコムの報道です。
この事件は、会社の寮の敷地内にドアをロックせず停めてあった車が深夜に盗まれ、その約5時間後、盗んだ男の居眠り運転により交通事故が発生。事故に巻き込まれた車の所有者などが、車の持ち主に修理費用などの支払いを求めていた。・・・最高裁は「(車の持ち主は)自動車が盗まれることを防止するための措置を講じており、管理上の過失は認められない」とした。
東京新聞の報道の報道です。
施錠せず、鍵を置いたまま止めていた車が盗まれて交通事故を起こした場合、車の 持ち主は賠償責任を負うのか―。
まとめてみますと、
1 ある会社のワゴン車が盗まれた。
2 そのワゴン車は会社の寮の駐車場に置かれていたが、ドアに鍵をかけておらずサンバイザーに鍵が挟んであった。
3 盗んだ犯人は、その車を運転して居眠り運転で事故を起こし、第三者に被害を与えた。
4 訴えの内容は、会社の管理が悪く盗まれたのだから、会社も事故の賠償金の一部を払えというもののようです。
どの判例かは知りませんが、私が免許を取るときに教習所で盗まれて事故を起こされても車の所有者に賠償請求が来るということを習った記憶があります。
そのとき、そもそも盗んだことが原因なのだからその判例はおかしいだろうと思っていました。
今回の判断では、事故の原因は居眠り運転であり車の所有者の責任ではないだろうとしているのでかなり画期的判断だと思います。従来の判断であれば、敷地内とは言えドアは空いたまま鍵もその場に置いたままであれば管理していないのと同じであるから、犯罪を助長したと判断されかねなかったのです。
非常にまともな判断だったと思います。
第三小法廷
林景一裁判長
戸倉 三郎
宮崎 裕子
宇賀 克也
林 道晴
全員一致であって欲しいです
ということで、報道ベースで見ていきます。まずは日経新聞の報道です。
施錠せず鍵を車内に置いたまま盗まれた車で起きた交通事故を巡り、車を管理していた会社の責任の有無が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(林景一裁判長)は21日、責任を認めず、賠償請求を退けた。二審・東京高裁は「盗難の危険がある管理状況だった」として同社に賠償を命じたが、最高裁は管理上の過失は認められないと判断した。
一、二審判決によると2017年1月18日未明、川崎市内にある築炉会社の独身寮にあったワゴン車が盗まれた。車を盗んだ男は約5時間後に居眠り運転で多重事故を起こし、巻き込まれた車を所有する会社2社と損害保険会社が築炉会社に対し修理代などを求めて提訴した。
車の鍵は当時、従業員が車内の日よけに挟んだままだったが、会社側は寮内の食堂で保管する内規を定めていた。同小法廷は判決理由で「(築炉会社は)車の盗難防止措置を講じており、保管上の過失があるとは言えない」と結論づけた。
産経新聞の報道です
会社に管理上の過失があるか、過失がある場合は事故との因果関係が認められるかが争点だった。林景一裁判長は「会社は車の鍵を保管する場所を内規で定めるなど、盗難防止の措置を講じていた」と指摘。従業員が内規に従っていなかったことも把握しておらず、「過失は認められない」と述べた。
過失があった場合の事故との因果関係については判断を示さなかった。
判決によると、川崎市内にある築炉会社の独身寮に止めていたワゴン車が平成29年1月18日未明に盗まれ、約5時間後、盗んだ男が横浜市内で居眠り運転し、停車中の大型トラックに追突。ほかに2台のトラックを巻き込んだ。巻き込まれた車を所有する会社2社と損害保険会社が、築炉会社に修理代などを求めて提訴した。
弁護士ドットコムの報道です。
この事件は、会社の寮の敷地内にドアをロックせず停めてあった車が深夜に盗まれ、その約5時間後、盗んだ男の居眠り運転により交通事故が発生。事故に巻き込まれた車の所有者などが、車の持ち主に修理費用などの支払いを求めていた。・・・最高裁は「(車の持ち主は)自動車が盗まれることを防止するための措置を講じており、管理上の過失は認められない」とした。
東京新聞の報道の報道です。
施錠せず、鍵を置いたまま止めていた車が盗まれて交通事故を起こした場合、車の 持ち主は賠償責任を負うのか―。
まとめてみますと、
1 ある会社のワゴン車が盗まれた。
2 そのワゴン車は会社の寮の駐車場に置かれていたが、ドアに鍵をかけておらずサンバイザーに鍵が挟んであった。
3 盗んだ犯人は、その車を運転して居眠り運転で事故を起こし、第三者に被害を与えた。
4 訴えの内容は、会社の管理が悪く盗まれたのだから、会社も事故の賠償金の一部を払えというもののようです。
どの判例かは知りませんが、私が免許を取るときに教習所で盗まれて事故を起こされても車の所有者に賠償請求が来るということを習った記憶があります。
そのとき、そもそも盗んだことが原因なのだからその判例はおかしいだろうと思っていました。
今回の判断では、事故の原因は居眠り運転であり車の所有者の責任ではないだろうとしているのでかなり画期的判断だと思います。従来の判断であれば、敷地内とは言えドアは空いたまま鍵もその場に置いたままであれば管理していないのと同じであるから、犯罪を助長したと判断されかねなかったのです。
非常にまともな判断だったと思います。
第三小法廷
林景一裁判長
戸倉 三郎
宮崎 裕子
宇賀 克也
林 道晴
全員一致であって欲しいです